第221話 ページ28
ルシファーと話をしているうちに、ルシファーは星の民の研究員として星晶獣の創造に関する研究に注力している事が分かった
また話を聞いているうちに彼がかなり優秀な研究者であり、それ故に多くの人々からかえって畏れを抱かれている事や、研究に注力する余りに研究と関係のない事に興味を抱いていない事を察し、なぜルシファーが王や私の事を知らなかったのか1人納得していた
ルシファー「俺はいずれ最高傑作となる星晶獣を生み出す…
この空の繁栄のためにな」
ルシファーは楽しそうに、笑顔でそう言っていた
『…ルシファーならきっと出来るよ…』
そう答えつつも、私はそんなルシファーを少し羨ましいと思っていた
ルシファー「…シグルドよ、どうしたのだ?
そんな顔をして」
それを察したのか、ルシファーは私にそう問うてきた
私はその問いに対し、少し悩んだ後、こう答えた
『…私は幼子の頃から一国の騎士となるために育てられてきた…
けれど本当は他の星の民と同様、空の繁栄のために星晶獣の研究に関わりたいと願っていた…
そんな事、叶わぬ願いだけれどね…』
ルシファーは私の言葉に驚いたような顔をし、やがて何か考えるような顔つきになり、黙り込んだ
『…ルシファー…?』
私がその様子を見てそう声をかけると、やがてルシファーは難しい顔をしながらこう答えた
ルシファー「お前が興味を抱いているのなら俺の実験の話をしてやる…
それと…いつかお前に星晶獣の誕生の瞬間を見せてやる」
『!!』
ルシファー「代わりに俺の実験についてお前も共に考え、意見を寄越せ
そうすればお前も星晶獣の研究に関われるだろう?」
『…ありがとう、ルシファー』
私はルシファーのその答えに嬉しくなり、ルシファーに微笑みかけた
私の願った理想を、ルシファーが叶えてくれる
それが、とても嬉しかった
私が微笑んで礼を言うと、ルシファーもまた微笑んでいた
そしてしばらく話を続け、天高くにあった星がいくつか地へ戻り始めた頃、私達は別れた
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年3月6日 16時