3000年の執着心5 (ページ22)

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第215話ページ22

王国へ戻ってから、私は王に受け取った報告書を渡し、「ご苦労だった」と言われると玉座の間を後にし自分の部屋に戻った

そして今日、研究所長との会話を思い出し、物思いに耽っていた

『…あの実験、私の助言で上手くいくのだろうか…

もし上手くいったのであれば、形は異なれど私の夢が叶ったような思いだ…』

助言を頼まれたのは、星晶獣の誕生に関わるあるパーツを作るための実験に関するものであった

研究所長曰く、条件をいろいろ振ってはみたものの、どの条件でも途中で系内に熱がこもって反応が進行し過ぎてしまい、何度試しても途中で壊れてしまっていて困っていたようであった

そこで私は系内の安定のため、少量余計なものを添加する事で系内を安定化することを思いつき、アマルティア島の青い果実なら系内に入れても副反応は起こらないと見てそう助言をしたのだ

そして後日、私が剣の鍛錬に励んでいる際に、王の臣下の1人が私に声をかけた

臣下「シグルド、貴方に手紙が届いていますよ」

そう言われ差し出されたのは、隣国の星の民の研究所から私に宛てられた手紙であった

私はそれを受け取り、封を開けて手紙を読み始めた

「拝啓

シグルド様

先日の助言を元に再実験したところ、系内が安定しようやく成功に至りました

貴方様のお陰です

本当にありがとうございました

再び困り事があった際は貴方様の智慧を再びお恵みいただきたく存じ上げます

今後とも是非宜しくお願い申し上げます

敬具」

『…！！』

私はそれを読み、自分の助言で実験が成功したと知り、自分のことのように嬉しく思った

『…騎士の身である私が星晶獣の研究の一助となることができるとは…

これまで多くの知識を身につけてきて良かった…』

そう独り言ち、再び剣の鍛錬に励んだ

－－－－そしてその後日、私はある1人の星の民の研究者と出会う事になる