3000年の執着心5 (ページ21)

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第214話ページ21

王から受けた命令は、この研究所の所長にあたる星の民から最近の研究に関する報告書を受け取るように、というものだった

私はその研究所長の執務室へ向かい、公務を果たすべく部屋の扉を数回叩いた

所長「お入りください」

『失礼します…公務代理で隣国から参りました、シグルドと申します』

所長「おや…貴方が…

星晶獣達から聞きましたよ、隣国に叡智に優れた優秀な騎士がいる、とね…」

『勿体無きお言葉です…ところで私は王からの命で－－－－』

所長「ああ、分かっていますよ

…ではこちらを」

そう言って研究所長は「報告書」と書かれた書類を私に差し出した

『ありがとうございます…確かに受け取りました

では』

そう言って立ち去ろうとしたが、研究者長は「お待ちください」と言って私を呼び止めた

所長「実は最近実験がうまくいっていなくて…

私も貴方から智慧を授かっても宜しいでしょうか？」

『え…？

…私は構いませんが…お力になれるかは分かりませんよ』

所長「ありがとうございます、では－－－－」

そう言って研究所長は実験の目的、内容、これまで出た結果について詳細に話してくれた

私はそれを聞き、少し考えた後こう答えた

『そうですね…上手くいくかは分かりませんが、アマルティア島にある青い果実を少量添加してみてはいかがでしょう

きっと島の加護により系内が安定するはずです』

所長「！なるほど…試してみます

結果が出たら手紙をお送りしますね

ありがとうございました、シグルド様」

『いえ…お役に立てたなら幸いです

では』

そう言って私は研究所長と別れ、部屋を後にした

そして、王国へ戻るため私は研究所の廊下を歩き出口へ向かおうとした

その時、1人の星の民とすれ違った－－－－

このすれ違った星の民こそが後に我が初めての友人、そして親友となるとはこの時は想像もしていなかった