3000年の執着心5 (ページ20)

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第213話ページ20

やがて私は騎士として身につけるべき教えを全て享受し、後は日々の鍛錬と独学に励むよう王から告げられ、自由の身となった

とはいえ王の近くにいなければならないという事実は変わらず、公務代理の時以外に長い間城の外へ出れば王に呼び止められ、城へ戻される事が多かった

それでも私は民と会話する事を求め、鍛錬は怠らずとも時間の許す限りは民の元へ赴き、智慧を与えたり集落の様子について教えてもらったりして過ごしていた

時として国の特性上星晶獣と会話をする事も多く、彼らもまた民達と同様私に敵意を示す事なく、友好的に接してくれた

そんなある時、私は王から命じられ隣国にある星の民の研究所へと赴いた

『では、行って参ります、我が王よ

…ユリア、頼むよ』

ユリア「はい、シグルド様

…貴方の魂は隣国にあらん事を－－－－」

ユリアの力を借り、私はその日初めて星の民の研究所へ降り立った

『ここが…かつて私が憧れていた星晶獣の研究を行う施設…

…私もまた…ここで…』

研究所と呼ばれる施設を見つめ、私はかつての憧れを思い出し、そう独り言ちたが－－－－

『…いや、いけない…我が勤めを果たそう』

それは叶わぬ願いと知っていた私は、王の命を果たすべくその施設へ入っていった