3000年の執着心5 (ページ19)

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第212話ページ19

そして時は巡り、私は多くの王の臣下に守られながら成長し、やがて大人になった

王「お前も我が剣としてそれに相応しい存在となってきた…そろそろ我が公務に同席し、空の情勢について知っても良い頃であろう」

『王よ…それはつまり…』

王「そうだ

お前を城の外に出すのを許す時が来たという事だ」

『…！この上なき喜びです、我が王よ…』

そう王に告げ告げられた日以降、私は王が公務で外出する際に同席し、隣国やこの王国の城外へ足を運ぶ事を許された

初めのうちは王の隣につき、公務について学ぶのみであったが、じきに私は王の関係者や国の民と話す機会が増えた

私と話をしたものは皆私に興味を抱き、そして話をしているうちに私が多くの知識を持っており、またそれを用いて多くの良案を編み出すと口にし、私に教えを乞うようになった

「王の騎士は非常に優秀なお方だ！」

「私にもその智慧をお恵みください！」

「シグルド様！あなたのおっしゃる通りにしましたら上手くいきました！感謝してもしきれません！」

「シグルド様－－－－」

多くの民達は私に対し非常に友好的に接し、私もそれに笑顔で応じた

私はその当時まだ王の公務の時以外は城の外へ出る事が許されておらず、民と話す時間はそう多くなかったが、その時間は私にとって細やかな安息の時であった

しかし話す時間がそう長くない事と、私が王の騎士であるという身分からして、私は民達と対等な立場で語り合う事は叶わなかった

『…多くの民と話す事が叶うというのに…

…何故私は孤独を感じるのか…』

私はどこか、孤独感を感じていた