3000年の執着心5 (ページ11)

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第204話ページ11

私はいつも本を読んだり、母上が「護身用に」と言って手渡してくれた剣を振るい剣技を身につけたり、届いた情報紙を読んだりして日々穏やかに過ごしていた

だがそれはある日失われることとなる

私はその日、剣技を教えてもらうために外出し、私の住む集落の剣技に長けた大人の元で稽古を受けていた

が、それが終わり家に戻ると－－－－

『…母上…？』

母上は家にはおらず、家の中は静かであった

『…置き手紙もない…どこかへ出かけているのでしょうか…？』

私はそう思い、家に戻ってから本を読み、母上の帰りを待ち続けていた

しかし、空が暗くなってからも母上は帰っては来なかった

『…湯浴みを済ませて先に休んでいますね』

そこにはいない母上にそう言い、私は湯浴みを済ませてその日は休んだ

しかし次の日になっても、その次の日になっても母上は戻っては来なかった

『…母上に一体何が…？』

そう思い私は家の外へ出ると、ある住民が私に話しかけてきた

住民「…君がシグルドか？」

『…？はい、そうですが…』

住民「そうか…実は君の母上なんだが－－－－」

『！！』

私はその言葉を聞き、住民の話に耳を傾けた

住民「昨日ザンクディンゼルで亡くなっているのを見かけた…

…きっと主の意向に何か歯向い罰を受けたのだろう…」

『そんな…』

主、とはこの世界における大いなる存在の事である、と本で読んだことがある

母上はそれに歯向かった－－－－？

住民「そういうわけで君の母上は帰って来ない…

…君は今後どうする？」

住民は私にそう問うた

私はその時こう答えた

『…では私は母上と共に過ごした家で1人で暮らします

…教えていただきありがとうございました』

住民は心配そうな顔をしていたが、私は「1人でも大丈夫です」と言い、住民と別れた

以降私は幼少期のほとんどを母のいない家で1人過ごしていた

－－－－あの日までは