ウチとアンタと、キミの言の葉9 (ページ47)

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第369話ページ47

ケイト「…まぁそれは良いよ

ワンダーランドの住人さん、元の世界にきっと帰って行くんでしょ？

だったら俺らで最後にお見送りをしたいな」

『おん？…あぁ、せか

ウチが異世界から来とるんからウチがワンダーランドの住人になるんやね

ウチからしてみれば兄ちゃんらがワンダーランドの住人なんに』

ケイト「さて！今日は何月何日でしょう？」

『…H暦なら何月何日やろな

ここの世界やったら大体冬明けて3月になったくらいやない？』

ケイト「そう！今日は3月2日です！」

簓「…H暦やと2月の12日やで

半分ずつ違うんやな、大体時間の流れが」

『…計算早いな

半分になるんやったら倍数になるんと違うんの？』

簓「違うで、後で盧笙に聞いてみ？

…ちゅーかこっちだとお前明日生まれなんやね、意味合いは俺らの世界と少し違うんねやろけど…」

ケイト「つまりけーくんが言いたいのは、今日は「何でもない日」を祝うのにぴったりなんだよ！」

『…！…おん？』

トレイ「そういえば今日が誕生日の寮生は誰もいないな

だったら今からでも準備をしてパーティーを開くか、良い提案だな」

リドル「キミがこれを機に元の場所に帰ると言うのなら、最後にハーツラビュル寮の伝統を知ってから帰ってもらいたい

キミに僕達の事を忘れないでいてもらいたいからね」

皆ウチと因縁のあるはずの相手も、今日だけは笑って何もなかった事にしていく

それをどこかで寂しさとか負のエネルギーで置き換えるウチがいる反面で、「所詮1日なんていう時間はこんなもんや」と思えるウチもいる

せやから、最後には夢で笑って終われるように、ウチも空気に合わせて嘘吐きの悪戯好きな子供みたいに笑う

『…せやね、まぁそれでもええか

伝統は引き継いでいくもんやからな』

ケイト「なら決まりだねっ！」

アズール「待ちなさい！

ハーツラビュル寮だけで勝手に話を進めないでください、そもそも彼女はオクタヴィネルの寮生です」

この学園の自主性のある兄ちゃんらは、皆して色々な口論(ディベート)を起こしながら、ウチらの最後に相応しい結末を模索し始めていた