ウチとアンタと、キミの言の葉9 (ページ38)

今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:8,371 hit

第360話ページ38

ついでに一応断りを入れるんなら、このやり取りは「いつも通り」のコミュニケーションや

こういうのが俺らの中に成り立つんがいつもの日常ってもんで、これ以上を求めても大して変わりもなく消費されていく日常を俺らはこういうやり取りできっと無駄にしている

簓「Aちゃん、そろそろ簓君の中で暴れるんのやめてや

くすぐったいで」

『やめろ言うてるんはこっちや…！！

…っこの…腕の力だけは無駄に強いんな…！』

簓「簓君はこれでも男やからね

女の子のAちゃんには敵わへんよ」

『こういう時男と女の話してくる相手はウチの嫌いな人種やね

…ッ…このくそ…ヒョロくてモヤシみたいな身体しとる癖して…！！』

簓「それ褒めとる？スリムボディですまんな」

『褒めてへんわ

いっぺんその頭外科医に診てもらい！！』

簓「…ははっ

…戻って来たなぁ」

まだ何も終わりは迎えていないのに、一時の安息に浸って感傷的になる

1年たかが待っとる以外に何もしてへんけど、気を張って今まで耐えて来たもんがあるからこの安心感につい自分を甘やかしてやりとうなる

簓「Aちゃん、ほな、暴れるんはやめや

諦めて一緒に帰るんや、家出しとったまま帰らへん言う気やないやろ？」

『…は…？

…家出なんかしとらんけど、何言うとるんの？』

簓「聞いたで

飴村乱数から俺ら庇って1人で戦ったんやって

何で俺に言わんかったんの？」

『…！！』

簓「…そういう所やね

ホンマにその悪い癖はどうにかしいよ、命がいくらあっても足らんわ」

妹相手だから素直に言える事を伝える

それに俺の妹がどう思うんかは分からんけど、俺らは「同じ目線で物事を見つめ合って」、正しい「言の葉のやり取り」で未来という時空を見つめ始めていた