ウチとアンタと、キミの言の葉9 (ページ31)

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第353話ページ31

監督生side

それを言っているオルトさんの声が一番に緊張しているように聞こえる

オルト「…兄さん、僕はプログラムを誤作動した気はないのに、結果が見えなかったよ

バグがあったのかな？」

イデア「…違うよ、間違っていない

オルト、もう一個の結果は？」

オルト「え？」

イデア「解析結果、もう一個多分あるでしょ

何かに当て嵌めるんじゃなくて、解析して分かった結果を伝えて」

イデア先輩がそう言うとオルトさんはまた回答を返す

オルト「…ログの表記を行います

解析の結果、魂の形状はグレートセブンの7の魂に合致はしなかったけど、この人とサシャさんの魂の形は「ほぼ同形状」だって事が分かったんだ」

イデア「それが「答え」だよ

オルトのプログラムは正常に機能を果たした」

オルト「え…？」

イデア「「ない」ものを結果に表記できないのは当然だよ、拙者もそこまでの事は求めていない

だけど結果は正しい、「ないけど2人の魂は同じものだ」って分かればそれでプログラムは完璧だって言える

間違っていないよ、オルトの判断は」

オルト「…」

イデア「…あとは拙者達には分かり得ない事ですな

サシャ氏が起きるかどうかも、帰る帰らない以前に消失するのかも生きるのかも結局拙者達にはどうする事もできない」

後の命運を決めるのはきっと、先輩の自分の意思なんだと思う

結局分かった気になれても、当事者がどうするのかは私達には決める事ができないものだから

お兄さんに巡り会えて、環境だけは整っても、帰るか帰らないかは結局先輩の決める事

私達が曲げられるものでもなければ、そこに干渉すべきでない事も一応は分かっている

アズール「…仮に帰ると言い出したら見送る心構えは整えておきましょう

先程のカリムさんではありませんが、永劫会えなくなる訳でもありませんしね」

監督生「…！」

アズール「世界なんて飛び越えれば良いんですよ

彼女のお兄様がそうしたように」

そう言っているアズール先輩は、また私のよく知る悪役(ヴィラン)に相応しい顔で笑っていた