第352話 ページ30
監督生side
アズール「…そのどちらに我々が近いかなんていう議論はここでは何の意味も成し得る事にもなりません
他人事として聞き流すより他にないのですよ、あの中では僕たちは外野です」
ジェイド「…」
フロイド「諦めるの？茎ワカメが本当に連れて行かれそうになっても」
カリム「えっ？元の世界に帰れるのか？
それなら宴を開かないとだ！
いっぱい祝って、そして別れもまた祝って、祝福して送り出してやらないといけないな！」
ジャミル「…ッ…おいお前、この空気でそれを言うか！？
それに宴を開くってまた簡単に言うが、誰がその準備をすると思って…」
カリム「俺も今日は準備をするから！
主役はサシャだからな、元の世界に帰ってきっと楽しく生きられるようになるだろ？
死ぬかもしれないって思いながら知らない場所で生きていくのはきっと心細いと思うぞ？」
ヴィル「…！」
カリム「監督生だってそうだろ？
突然知らない世界に迷い込んだら怖いよな、俺も誘拐とか何度も経験した事があるから怖いのは分かるぞ
それで自分の信頼できる誰かが助けてくれた時の安心感も俺には分かる気がするんだ、ジャミルには迷惑かけてばっかりで悪いと思うけどな」
私は言葉を失って、でも多分分かり合える部分があるんだろうというのは分かる
そして当事者として私もその事を何か分かったような気になれてしまう自覚はある
監督生「…でも、お別れは悲しいものではありませんか…？」
カリム「そうか？
別れてもまた生きていれば会えるかもしれないぜ？
一時の別れは永遠の別れじゃないんだ、生きていれば何度でも会える
また気が向いた時に会いに行けば良い」
監督生「…！」
カリム「俺、絨毯を乗りこなして、いつかサシャの世界まで飛んで行ってみるぞ
信じていればきっと夢は叶うものだ、諦めないでいこうぜ！」
カリム先輩は笑ってそう言う
それを打開するかのように、オルトさんの解析結果がこの場の雰囲気を秩序立たせる
オルト「進行率100%
プログラムは正常に作業を行いました、結果は…」
私達はそれに少し固唾を飲んで、その答えを待つ
オルト「…魂の形状、「Unknown」
グレートセブンの7の魂に対象は合致していません」
プログラムの声を私達は聞いて、冷静に状況を判断し始めていた
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作者名：ユウ | 作成日時：2021年9月5日 20時
