第344話 ページ22
フロイド「俺ずっとあの感じが「何で」って思って、何か秘密があるんだろうなって信じてたけど、こんなつまんねー理由だったんだ
すげーやな感じ」
ジェイド「…この兄ありきの彼女だった、という事なのですね
似た気はなくても似通う…僕とフロイドとは訳が違いますね」
フロイド「俺らは別に似たいなんてちっとも思ってもいねーかんね」
アズール「お前達の事は今はどうでも良いです
それより…彼女の言っている言葉と殆どが一致します
彼が本当に「彼女の」兄である可能性が高い」
フロイド「今の話だけなら「茎ワカメちゃんの兄貴」って言われて納得のいく感じするからねぇ
でもまぁ見かけ上納得いっても、本当にそうかどうかなんて実際に証明してもらわないと分かんねーし」
監督生「…先輩のお兄さんなんですよね…？」
簓「…俺はな
少なくとも俺はAを自分の妹やって言うで」
アズール「ですが「言っているだけ」では意味もないんですよ
「そう」でないと」
簓「…」
監督生「そんなの本人に聞いてみれば分かる事ですっ！
先輩の所に行きましょうよっ！」
レオナ「今はやめとけ
瀕死の重体負った女に余計な事で頭使わせる気かよ」
監督生「…それはそう、ですけど…」
レオナ「そんなの後からでもどうにでもなるだろ
それより俺の言いてぇ事は別の事だ
仮にテメェがそういう世界の住人であったとして、どうやってここまで来た？」
簓「…言うても信じへんと思うけど、猫を追うてたらここに来たんよ
帰りはどないすればええんやろな…それは俺にも分からんわ
一方通行になってもうたな」
レオナ「…」
ラギー「考えなしに突っ走る所まで似てるっスね…
いや、むしろ「違い」を証明する事の方が難しいんじゃないんスか？」
レオナ「…少なくとも性差と年齢の差はあるだろ
他の事は知らねぇが、自分がどこかの誰かに似通う事で許せる奴はそうそういねぇよ
だからあいつは「自分という存在の証明」のために今まで戦い抜いてきたんだろ
今の所はどうも負け戦みてぇだがよ」
簓「…」
レオナ「…だがまぁ生まれた順序が違えば自分なんて存在は所詮一番に生まれた奴の存在証明のダシにされるのがオチだ
そういうのが分かる奴にしかあいつの本音なんざ聞こえねぇ、妙に俺と話が通じると思ったらそこが原因か」
耳のついた兄ちゃんは納得のいったような顔をして、その後も俺に話を続けていた
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作者名：ユウ | 作成日時：2021年9月5日 20時
