ウチとアンタと、キミの言の葉9 (ページ3)

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第325話ページ3

ジェイドside

でも考える度に思うんです

仮に彼女の肉体を見つけ出す事ができたとして、彼女は僕達の誰とも運命共同体になどならないと言えるのでしょうと

まず僕達は肉体に魂を戻る時に、一時的に彼女を「受け入れる」

それは僕達の側が良くあっても、彼女がそれを拒んだら成り立つ事は当然ない

つまり双方の思いが通っていないと不可能というのは事実なんです

それが分かると、本当に本人の意思なしには成立する事のない生命という名の神秘と奇跡を感じる気がします

フロイド「…どーしようもないんだよね」

ジェイド「せめて穏やかな眠りに堕ちる事ができるように、僕達で安寧な箱庭を作る事しか今はできないのですね

その箱庭に、本人が「生きる」という意思表示をして自ら命として成立させる選択肢を選べば話は変わって来るのでしょうけど…」

フロイド「命って不思議だね

生きたいかどうかだけで生きる事も許されないなんて」

ジェイド「ええ…」

笑っている彼女の生命が途絶えるとして、せめて最後まで笑っていていただきたいと願うのはいけない事なのでしょうか

彼女に穏やかに眠ってもらって、せめて終わりを受け入れられる形で終えていただきたいと願うのは悪になるのでしょうか

彼女の終わりを受け入れるから、それを幸福な終わり(ハッピーエンド)として終わらせていただきたい

誰もが望まない結末など、僕達だって望んでいないのですよ－－－－

ジェイド「…！！」

そう願っているのに起こりうる悲劇に僕達で抗う事もできない

僕達を嘲笑うかのように、運命はまたこの世に悪という存在を作り出す

フロイド「え…？あれ何…？」

学園の外を見つめればそこには大きな黒い影

何度も見た光景に当たる、誰かがオーバーブロッドを起こしている様

フロイド「…また誰かがオーバーブロッド？

まさかまた小エビちゃんじゃねーだろうね」

ジェイド「…サシャさんはあの場にはいないですよね…？」

フロイド「様子見に行こっか

あいつにいて死なれたら俺らとしてもムカつくし」

そう言って、僕達は騒然とする学園の外に向けて走り出していました