ウチとアンタと、キミの言の葉9 (ページ16)

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第338話ページ16

簓side

ドォンッ！！

簓「…堪忍な、猫ちゃん」

そない事言いながら俺は怪物を相手にマイクで攻撃する

俺の武器はこれしかあらへんし、怪物云々置いておいたって俺は暴力は苦手なんや

せやからできる事をやれるだけ全力でやる

これが俺達の世界の人生の形だと言える気がする

グリム「…ふなぁぁ…」

ケイト「…！！グリちゃんが小さくなってきた！」

攻撃を続けると観衆は沸いて、ほんで猫はだんだん小さくなる

精神的な昂りが収まってマイクの攻撃で正気を取り戻しつつあるんやろ

ほんなら最後に決めたるワンバースで、何もかも終わって元通りや

簓「…最後に決めたろか

一撃必殺、渾身のワンバース！

猫ちゃん、寝こけて自分取り返し？

妹のおる俺は誰にも倒されへんよ」

そして最後のバースを決めようと心に決めれば、戦うためのスピーカーが出て来る

招き猫、幸福をもたらす俺の相棒

黒い猫を圧倒するのに打って付けの、例えるなら鏡に合わせたような存在やなんて思たりする

簓「…ホンマにこれで終わりや

終局、終演、満員御礼！

白膠木簓のワンマントークショー、これにて終わりや、次回も宜しゅう！」

そして締めくくりの言の葉を言えばマイクからは攻撃の波動が出てきて、ほんでそれを黒い猫は食らう

ドォンッ！！

グリム「…ふなぁぁ〜

酷いんだぞ、俺様お腹が減っただけなのに…」

監督生「…！！」

エペル「グリムクンが正気に…！！」

グリム「お腹が空いたんだゾ〜っ！

子分、ツナ缶が欲しいんだぞ、お腹が空いて俺様力が出ないんだゾ〜っ！！」

猫は小さくなって、弱々しくそこらにいたお姉ちゃんにしがみついてる

言の葉を話すとはいえ猫は猫なんやななんて思て遠くから平和になる景色を見て俺も笑う

エース「…ああもう、うるせーよ！

この機に乗じてツナ缶かよ！」

デュース「…でも、良かった

終わりかと思った…」

平和になっていく世界の中で、もう一つの「目線」を俺は自分で感じる

ジェイド「…」

フロイド「…」

それは俺の登場に関する疑問を示すような目

一体俺が何者か、なぜこの場におるんか、俺の突然の登場について行かれへん人間が自然の成り行きで向けている目や

アズール「…貴方は一体何者ですか？」

簓「…そない怪しいもんとちゃうで

俺は白膠木簓や、妹見つけにここまで来たんや」

問いかけに応じて笑って言えば、周りはまた俺に疑問を示すような目を向けていた