ウチとアンタと、キミの言の葉9 (ページ14)

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第336話ページ14

キュィィィン…

簓「…すまんな、猫にも俺の妹はやれへん

守るで」

聞き覚えのある甲高い音はウチの昔聞いた音よりも多少周波数が低いと感じられる

あの日ウチを殺した武器よりもきっとエネルギーの上限が下になるのだろう

とはいえ、だ

ドォンッ！！

グリム「…！？グァァ…ッ…」

簓「Represent オオサカ、ってな

白膠木簓の突然の登場！ワンダーランドでのワンマントークショー！

しばらく俺に付き合うてな、語り出したら口が減らないんやで？」

簓のよう分からん言の葉達は猫から力を落としていく

戦って痛めつけるというよりは、ウチもよう知る「相手の戦力を自分が吸い取る」ような感じで、要は相手が何も言えなくなるまで自分というものを押し売りしていく訳や

これにやられない人間がおるんやったらウチはそない人間に会うてみたい

グリム「グァァ…」

簓「…まだ足りひんのん？

ほんならいくらでも笑かしたる、笑って目覚ましたらええわ

猫や言うんにはちょいと無理のある形しとるしな

原型は猫なんやろ？」

『…ゴホッ…

…相変わらずシラけた言の葉よう長ったらしく喋れるわ』

簓「Aちゃん、俺の渾身のラップ否定せんとき

傷付くやろ？」

『…嘘言わんといてや

どうせ勝手にやる癖に』

簓「そらそうやろ

妹が傷付いとる言うんに黙ってられへんわ」

『…』

簓「けどな、傷付く言うんはホンマやで

好きな相手に自分否定されとうないもん

分からん言うんならお前も俺の言葉の餌食やで」

脅しを入れるようにそない事ウチに言うて、でも猫に向けて戦意を示す真似はやめない

相変わらず器用な兄貴だと思う

そうやって人のためを思っているのか思っていないのか分からん態度で自分を誰にも伺わせないで、自分だけは真っ直ぐに自分の信念を貫いて他人を制覇する

ずっこい意外の言葉が浮かんで来ないけど、要は人に自分を与えずに戦う気のある強くて器用な男だってのはウチも近くにおる時間が長い分何となく分かる

そない下らん事考えていると、ウチも頭使うからだんだん眠気に抗えなくなっていく

『…』

簓「…最後に決めたろか

一撃必殺、渾身のワンバース！

猫ちゃん、寝こけて自分取り返し？

妹のおる俺は誰にも倒されへんよ」

そない啖呵をウチで聞いたような気はしたけど、もうウチも限界でウチでウチの意識をどこかに逃すようにしてウチの目をそっと瞑って眠る事にしていた