ウチとアンタと、キミの言の葉8

第299話 ページ25

その言葉に意味があるのかどうかはウチにも分からん


でもその言葉に含まれている意味は「ウチが相手でないと意味の通じない言葉や」って言うんは分かる


要は悪態を吐くであれ、他の何事であれ、それを受け止めるのがウチでなければ意味のない言葉を相手が持っとるっていうそういう事や


それが分かるから受け入れる気だけはウチも整える


それでウチを脅かされそうになれば、ウチがその時戦えばええだけの話やってウチもよう分こてるから


『…ええで

ちょい待ち』


フロイド「えっ？」


フロイドはウチに驚いたような声を聞かせて、ウチはそれに構わんと支度を整えるために制服のジャケットを羽織る


フロイド「…良いんだ、てっきり俺もっと渋るかって思ってた」


『ウチやないと意味のない話があるって言う事やろ？

ほんなら相手さんの時間取るんも気が引けるわ、ウチでサクッと問題終わらせたる』


フロイド「…！

…誤解してるなら言うけど、今日の話はそういうんじゃねーよ」


『…おん？』


フロイド「小エビちゃんは単純にお前と駄弁りたいって言ってんの

悩みがどうとか問題がどうとかそういうめんどい感じの話がしたいんじゃなくて、お前にどっちかって言うと聞いてもらいたいんだってさ

小エビちゃんのいた世界の話を」


フロイドにそない言われて、それならホンマに「ええ」って思て気を整える


ウチは人の話を聞くんは好きや


ウチから話すんも駄弁るのもウチは当然好きなんやけど、ウチが話すよりもずっと人からの話が聞ける方が好き


ウチの知らない世界がまだあるような気がして、「まだ生きてウチで色々見て知りたい」言うポジティブを抱けるから


せやからコンサルの仕事が気に入ってる言うんもあるんやね


フロイド「…！」


『へぇ、そない事尚更ウチでええんの？

ウチ嬉しくなってまうで』


ウチが笑て言えば、フロイドはびっくりしとる顔しよる


フロイド「…お前の笑うポイント俺にはよく分かんねー

俺の言えた事じゃねーけど本当に掴みづらいよね」


『…ええやん、ウチはウチで楽しんどるんだけやよ

ほんで、ウチはどこ行けばええんの？』


フロイド「VIPルーム

アズールからも事情聞いてね」


フロイドにそない言われて、ウチはフロイドの導きに従ってフロイドの後をついて行くようにVIPルームに向けてオクタヴィネル寮の廊下を歩いていた

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