キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ41)

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第134話ページ41

ついでに、アオイがそのコンクールで奏でたのはアオイの一番敬愛している音楽家フランツ・リストの「愛の夢」

こいつの「それ」を聴いたら誰もがそれを「世界のアオイ・ユウキ」、あるいは「天才の奏でる音楽」と言わざるを得ないような、異彩を放つ表現力に誰もが圧倒された

それだけ本人が自覚しているよりもその天賦の才能は認められて然るべきものだって事になるんだが、人から言わせたらそれが「何」と言語で明確に言い表せないものが存在していた

だから本人も「分からない」でそのまま流されていく事になる

何せただ知識が偏っているだけのまだ僅か4歳のガキだ

普通の大人の知ってる事の一つも理解してなけりゃ、音楽真面目に初めてまだ1年に満たない「その道」で認められるには経験が浅すぎる相手

それをどう落とし込むかって言ったら、「これからのアオイ・ユウキ」の輝きに人は期待をして余計なものを加える他にないだろう

そんな訳で誰からも認められちまった才能の持ち主は賞金と一緒に余計な因子から私生活をだんだん脅かされていく

子供の葵「…？」

小学生に上がって、変わらずアオイはじいちゃんばあちゃんの家を行ったり来たり

その間は普通に小学生やれてたみたいだが、姉ちゃんの身体が弱いって事もあって私生活はだんだん「自分の本当の両親」から距離を置くものになっていた

そして、また不幸な事に「家」と繋がりのない奴らがアオイの家に割り込んで来る

葵の祖父「…？…はい、そうですが…」

ある時アオイがそのじいちゃんとばあちゃんの家に預けられた日、偶然アオイの家にはアオイを呼ぶ声が舞い降りる