キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ33)

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第127話ページ33

ほんで店に通されて、ウチは「人間の大人」が多くいる雰囲気に溶け込む

高校生の制服はきっと場違いな、例えるなら社交場かそれに限りなく近い雰囲気のレストラン

テーブルにはテーブルクロスがかかっていて、ワインを注ぐ時は店員自ら注ぐ、そない今のウチで例えるならモストロ・ラウンジが一番に近しい場にこの日ウチで初めて行った

そない「大人になるってつまりこういう事や」みたいな場に居合わせる事のできたウチは少し贅沢な人間って思う

ダニエル「ジビエってお嬢さんは食べた事ある？」

『…え、ジビエって何？』

葵「…鹿の肉だ

俺は苦手で食わないが」

ダニエル「お坊ちゃんは高級料理を分かってない庶民の舌でね」

葵「…金持ちのボンボンに生まれたお前とは訳が違う

庶民の舌で俺は構わないが」

ダニエル「っつーよりかはお子ちゃまな舌してるんだよねぇ

ワインは普通に辛口飲める癖に」

葵「…それとこれとはまた訳が違う

嗜好の問題だ」

ダニエル「まぁ俺には甘口のロゼが性に合うからねぇ

アオイは？初めから赤の辛口でいく？」

葵「…お前が何を頼むかによるな」

ダニエル「つー訳でお嬢さん、食べたいもの言ってきな」

『…おん？』

ダニエル「こいつの奢りで食えるもんを今のうちに自分の舌で味わっておく方が良いぞ

こんな金持ちの音楽家に巡り会える機会はそうそう多くないだろうからな」

そない言われて、でも結局ウチで決められへんから話し合いでウチらの料理は決めていた