キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ32)

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第126話ページ32

ところで常識として知らない相手に迂闊について行くものと違うって言うんはウチのルールに反してるって思ってもええ

それは「知らない人」を上げるともうキリないし、そういうのどうでもええってのがウチの感性やから

何せ冷たい家庭で育ったもんやから、そない感覚が芽生えるんもまた普通の事と思ってくれてええ

そういう訳でそこはどうでもええし、興味の対象がそっちに完全に集中してる訳やからウチは普通にその今知り合ったばっかのそない男について行く

ダニエル「お嬢さん、音楽で有名な国はどこだか分かるかい？」

『え？』

ダニエル「俺の出身のドイツも音楽の都なんて言われる時があるが、一番に有名だって言われるのはオーストリアのウィーンって首都だ

俺とアオイはそこの音楽学校の出身でな」

『え、センセも帰国子女やって事？

でもセンセの出身キョウト芸術大って…』

ダニエル「…あぁ、アオイは引き抜きに遭っちまって日本に帰る事が決まってな

その時俺も日本に国として興味があったから結果俺もアオイについて行って日本のこの街に居座ってるんだが…」

『…？ならおっちゃんもキョウト芸大の出身？』

ダニエル「あぁ、そうだよ

前の定演の時はフィナーレにこいつとデュオ組んだくらいだ」

『…へー、むっちゃ長い付き合いなんね』

葵「…デュオを組んだのはお前が割り込んだからだ

俺は1人で途中までやっていたが？」

ダニエル「アオイが「奴」と顔合わせるの嫌だろうと思って乱入してやっただけだろ？」

『…？…何の話？

なんか嫌な奴がおるんの？』

ダニエル「おう、すげぇ嫌な奴がアオイの近くにいてな

まぁこいつ根から人間嫌いになっちまってるからそういうやつを数えたらキリはねぇんだがよ」

『…？』

葵「…余計な事を言うな

単に馬の合わない連中が多いってだけで、俺は特別人間を嫌いでいる訳ではない」

『…？話が全然見えないんやけどどういう事や？

ウチで分かるように説明して』

ダニエル「まぁ素直じゃねぇこいつも悪いは悪いんだが、人と違うものを持って生まれると人はそれに振り回されて大体人生破滅の道まっしぐらって事よ

そういう運命とこいつは今も必死で向き合ってる」

『…？』

ダニエル「おっと、店着いたな

ここから先は話すと長いんだ、そんな訳だからお嬢さんも飯食いながらゆっくり聞いて？」

そない誘いに乗って、ウチは車を降りてそのウチの知らない店に入っていた