キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ31)

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第125話ページ31

葵「…この学校の生徒だ、そっちは

それから、こっちはダニエル・アインホルン

俺の知人の1人だ」

『え…？…ダニエル？』

葵「ダニエル・アインホルン(Daniel=Einhorn)

一応言うならこいつは日本に興味を持った辺鄙なドイツ人の男だ

今はヴィオラで世界を駆け巡っている、有名な音楽家の1人だとも言えるがな」

『…ドイツ人…？

いや、そない日本貶さんでもらいたいんやけど…』

ダニエル「そりゃ俺も同意だな

アオイ、ニホンは良い国だろ？銃弾が飛び交う治安の悪い俺の国とは訳が違う」

葵「…極端な例を言うな

それと貶してるのは国じゃなくてお前だ、話をややこしくするんじゃない」

ダニエル「おっと…日本語って難しいねぇ」

こない雰囲気にだんだんウチも状況を頭で理解して来る

ほんで素直にそのダニエルって男に興味を持てる

多分センセがおらんかったら通じ合う事のない、独特の縁(えにし)を一応繋がりとしてウチで築き上げていく

『…日本語めちゃくちゃに上手やんな

え、おっちゃん何者？』

ダニエル「おっちゃんって…まぁ良いか

アオイが童顔だから俺が老けて見えちまうな」

『え、違うの？ウチよりは歳上？』

ダニエル「アオイの生徒か？このお嬢さん」

葵「…一応はそうだと言える

音楽の授業選択しているからな」

ダニエル「あぁそうなの、そりゃ偶然だね」

おっちゃんはそない言うとウチに親切に教えてくれる

ダニエル「ならお嬢さん、俺は24のこいつと同い年の男だぜ？」

『…え？』

ダニエル「顔は老けて見えるかもしれねぇが、まだ学生上がりたての若者だ

俺もアオイもまだ学生気分が抜けなくてな」

葵「…俺を巻き込むな

少なくともお前よりマシだ」

ダニエル「そんな事言って、お前はお子ちゃまの癖に」

葵「…」

『…おっちゃんセンセと仲ええの？

どない関係？』

ダニエル「おおっと…そりゃ長話になっちまうぞ

せっかくだしお嬢さんも俺らと飯行く？」

そない誘いに乗って、ウチは知り合ったばかりのその男について行く事に決めていた