第117話 ページ23
ちなみに余談を入れるんねやったら、センセは男の音楽のセンセやったけどウチらの中に固定概念として「音楽は女の子のやるもの」って概念があったんは多分事実や
女と男の比率で言うんねやったら圧倒的に女の比率が多いこの部活で、その感覚を共有してまうんはある意味で仕方ないって感じもする
でも結局女も男も人間やって事は一緒で、違うのは性別だけで話をすれば互いに理解するのに苦労はしない基本的な事は同じ生き物やって事実もまた存在する
せやからある意味でウチらは壁を取り払う努力をして、やるからにはやってる間だけで良いから自己を捨てて皆で生まれ変わるって覚悟で演奏をやる側として人間的に成長した
子供心のウチらに刺激は良い成長の糧になるんは事実やって言えた
女生徒1「ねぇ、星泉君！
この前借りた漫画すごく面白かったよ、続きあらへん？」
男生徒1「えっ…あれ血とか出るし具合悪くならない？
俺の母さんとか「こんなの読んで気持ち悪い」って結構ズバッと言ってたけど…」
女生徒1「そう？私血とかえぐいのとか割と平気だし、あれ主人公がめっちゃ人柄良いから素直に応援したくなる」
男生徒1「…」
女生徒1「あれも良いよね、あの主人公の敵のインバースっていう黒髪のイケメン！」
男生徒1「…あぁ、インバースは女子ウケ良いって本誌の投票で結果出てるくらい人気なんだ
俺は手下のリリィの方が人として真面目だから結構好きだけど」
女生徒1「あのずば抜けて自分が悪だ！って感じが痛快でむしろ私インバースを応援したくなっちゃうけどな！」
男生徒1「…主人公応援しとるんと違うの？」
女生徒1「どっちも味方同士でいて欲しいくらいやわ
優劣つけられへん」
加悦「…お話中にごめんね」
女生徒1「…！」
男生徒1「加悦か…何だ？」
加悦「ううん、結城先生が時間作ってくれるって言うから呼びに来てるだけだよ
お話遮っちゃってごめん、合わせやらない？」
女生徒1「…めんご、話盛り上がってまったな
今行くから少しだけ待ってて！」
加悦「…うん、待ってる」
男生徒1「…加悦、あまり無理ばっかするなよ
俺らも1年で部長なんて大変やってのは根で分かってるし…」
加悦「私は大丈夫
皆で演奏できるのって楽しいって感じて部長やれてるから」
そない雰囲気でウチらはウチらの速度で確実に成長を続けていた
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作者名：ユウ | 作成日時：2021年10月17日 18時
