キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ21)

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第115話ページ21

ウチらを導く譜面を手に取ったウチらは、その譜面に書かれとる言語を真面目に習得していく

女生徒1「どこからやり始める？

流石に強弱記号は私達のパートも分かるし…」

男生徒1「このandante(アンダンテ)って「ゆっくり」っていうスピードを表すための言葉だよな？

歩くくらいの速度ってどれくらいの事だ？」

男生徒2「テンポで言うなら♩=60くらいの事じゃないか？

多分ここでクラが走ってるって言われるのって…」

女生徒2「ここ指を動かすのに必死になってまうから周りの音聞いとる余裕なくて…

譜面真面目にやっとるつもりでいるけど、多分ウチらの自己完結になってまってるんやね」

男生徒3「そこのパートで気になる事があるんだけど、俺らのパートはmp(メゾピアノ)なのにクラだけmf(メゾフォルテ)じゃないか？」

女生徒2「え？…ホンマや

ファゴットは目立ったらあかんねやね」

『…そこ高音聴かせるシーンなん？

ねぇ、全体像が見える譜面ってあらへんの？』

加悦「スコアの事言うてる？

今ウチでセンセのスコア持ってくる、っていうかウチらの分もコピーして印刷してもらって来るよ！」

ほんで加悦ちゃんは皆の分スコアって言う指揮者とか指導家が持っとるこの音楽の全体図を示す地図を持って戻って来る

女生徒3「…！！…ねぇ、ここもフルートだけがf(フォルテ)になってる…」

女生徒4「…知らんかった

ウチらで控えてまったね、ようウチらの音チューニング甘い言うて怒られとるから…」

男生徒4「チューニングの事に拘ってたら俺らで音楽パッと奏でられないんと違う？」

『…チューニングって音を整える事やよね？

多分チューニング真面目にやらんと話にはならんねやろけど、ある程度整えとるんならそない大きな影響も出んのと違う？

どっちを優先するかで音楽の奏の印象は違うって思うで？』

女生徒4「…！」

『…多分あのセンセは耳がええやろから地獄耳で音のチューニング乱れとる事に気付くやろけど、一般大勢はそこまで気付かんのと違う？

少なくともウチは他に印象感じる事があったらそこに誤魔化されてチューニングなんて気にせんよ、譜面の通りをまずやってみない？』

そない提案をして、自己研鑽のようにウチらでウチらに磨きを入れていった