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第110話 ページ16

事情を聞いてみると、ウチの高校は吹奏楽部におけるコンクールでB部門の銀賞の成績を収めるような立ち位置やって話や


それがどのくらい上手とかの事情を知らんウチは、B部門の銀賞のレベルが低いって話を聞いて「そういう事か」をある時に理解していく


加悦「ウチは高校入る前、中学でA部門の金賞取って全国も行った事あるから…」


『…え、全国って日本の1番の学校と戦いに行っとるって事?

そらすごいやん、B部門っちゅーのはどういう事?』


加悦「人数と規模が部門で全然違うんよ

A部門は55人が編成の上限で全国大会までやるけど、B部門って言うんは編成30人までで1番に上の大会は西日本大会で終わりや」


『…そうなんやな

それでレベルが低いって感じとるって事なん?』


加悦「それもそうやし、銀賞って言うんは別にすごい事と違うんねや

吹奏楽部で金賞取れるんは一校だけと違うから」


『…え、金銀銅で1番手、2番手の話になるんと違うの?』


加悦「違うんよ

金賞が本選の枠より多かったらダメ金って言葉もあるくらい別に金賞が必ずすごい事でもないん」


裏方の事情を聞けば素直にそれと違う今のウチらの高校がすごくないんやってすぐに気付く


ほんでこれも裏方の事情になるんねやろけど、そもそも本気で上を目指す子は皆きっとコンクールの成績のええ高校を受験してこの高校には来てへんやろから、その事情も踏まえるとここにおる人間の性質が分かる


加悦「…皆本音ではこの高校を決めるのに部活よりも大学の受験の方を考えてこの高校選んどるんやって思う

けど好きなもんはやめとう思えないし、やるからには楽しく真面目にやりたいって思っとる子が集まっとるんと違うんやろか

ウチも部活を一生懸命やるつもりで高校決めたのと違うけど、フルート続けたいって気持ちもあって…」


『…つまり皆音楽を嫌いじゃないから吹奏楽部に入っとるだけで、何となく惰性でやっとる気持ちが強いんやな』


加悦「…そういうのが音にきっと出ちゃってるんだって思う

だから先生の言ってる事間違ってへんよ、レベルが違うってだけでウチらが全面的に悪いん」


悩んだ顔をしてるその子に味方をする事に決めて、ウチはより深い深淵に片足を突っ込み始めていた

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作者名:ユウ | 作成日時:2021年10月17日 18時

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