キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ15)

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第109話ページ15

加悦「せやからね、ウチらは本気でセンセの言葉はありがたいって思っとるんよ

センセが言うとる事何も間違ってへん、皆が気付いとる事当たり前に言い当ててるだけなんや」

聞けば皆センセの言葉に否定のしようもなくて、皆が誤魔化してきた事をセンセはその耳で見抜いたって言うだけの話で言い方はどうあれセンセが間違いでないってウチにも気付いた

ほんで、「どうすれば良い」が分からんからセンセに悩みを言うて解決の策を見つけてもらって、その先は後は自分達でやるとどこか割り切った仕事行儀なやり方で吹奏楽部は真面目に練習をやっているとの事やった

部活動なんてウチで知らないから、センセと生徒の間の距離感ってそないもんなんやろかって多少疑問には思えるけど「そうなのか」でウチも一旦は流して、真面目に吹奏楽部の子の方をウチも考える事にしてみた

『…ほんでセンセは意見を真面目に言うとるだけなんか

でも皆やってしっかりやっとるやん、褒めるところは褒めてもええんと違う？』

加悦「白膠木さんは私達の演奏をどう思った？」

『え？…センセの指揮に目が行ってあまり聞き耳を立てられへんかったよ

ごめんな、ウチが真面目に音楽分からんて言うんはホンマの事で…』

加悦「…違うんよ」

その子はウチに首を振ってこう言う

加悦「…白膠木さんは間違ってへん

それだけウチらの音楽で人の心を掴めへんかったって事なんや」

『…え…？』

加悦「ウチらの高校で吹奏楽が流行らん理由分かる？

吹奏楽部をやってた子が皆揃ってウチらの音楽聴いて期待しなくなってまうからや

部員がおらんと部もどんどん弱くなっていく一方やから、この悪循環から抜け出すためにってウチらの代から色々とやってみる事にしとって…」

ウチで吹奏楽部の深い事情に踏み込んで、ウチの物語はだんだん加速度を上げていった