キミとお前と、俺の見ている世界2 (ページ7)

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第52話ページ7

『…ッ…ハァ…ッ…

…小さい身体やと全然進まんし息上がるんも早いんやね…ッ…』

そない言いつつウチは一番に近い公園に向けて急ぐ

ウチの言葉に嘘は正直めちゃくちゃに多いんやけど、公園がウチの会社の近くにあるんは嘘と違う

行った事はあらんけどウチの会社の近くには奇遇にも公園は確かに確実に存在している

『…ウチの会社からそもそもこの辺は離れとらんけど…』

1つの事に今ウチで集中してるから周りなんて見えない

見えないから、目の前に唐突に現れる影にウチだって疑問くらい抱く

？「…茎ワカメぇ」

『…！』

フロイド「送ってやるよ

どこまで行けばいーの？」

突然ウチの目の前にはさっきまでウチと話していたはずの誰かの影が見える

集中している事の内容がウチで違うから、妙に他人行儀になるんはウチで仕方ないと思う

『…フロイドやん

ウチ今急いどるからウチの邪魔せぇへんでくれん？』

フロイド「邪魔しねーし

茎ワカメちゃんに奢ってもらったからそのお礼しに来たの

どこに向かってるの？ちっせーから移動大変でしょ？」

フロイドはいつもと同じ人当たりのええ顔を浮かべて、ウチも疑念は半分やけど正直にウチの状況を伝える

『…ウチで今からウチの会社の近くの公園まで行くんの

待っとる相手がおるんや』

フロイド「じゃあ公園まで行けばいーのね？」

そない言われて、返事はしとらんけど通じたんかフロイドは笑て言う

フロイド「俺結構陸の人間に負けないくらい足使うの上手いって思うんだよねぇ」

『…フロイドは背高いから歩幅大きいやろしな』

フロイド「って訳で公園まで送ってやるから茎ワカメ大人しく俺に掴まっててねぇ」

フロイドと目線と笑顔で暗黙の了解を交わして、ウチはフロイドの腕に抱えられてウチの目線が高くなるんを感じる

長くウチでフロイド達と関わりを持った事もあって、下手に通じ合える「仲間意識」に近いものはウチもある程度持っている節があるんやと思う

フロイド「茎ワカメ、今から俺空を泳ぐから振り落とされないようにねぇ」

『…空泳ぐんの？普通に空飛んで移動するんと違くて？』

フロイド「俺の飛行術の成績分かってて言う？」

そない冗談混じりに会話を交わして、やがてフロイドは覚悟を決めたようにその場から足を動かし始めていた