第82話 ページ37
男上司1「今日も白膠木の活躍で一案件方が着いたな!」
『…疲れたんでウチ定時で上がりたいです』
男上司2「病み上がりの白膠木には悪いけど、古畑もあそこまで巧い話はできないし、お前みたく企業研究に集中できる奴もいないんだよ
だからお前に頼るのがやっぱり正解やった、今日は奢るで」
女上司1「器用ですよね、白膠木さんは」
『…別に、そない事と違うんですよ
ウチで話するネタ集めとるだけで』
女同僚1「白膠木さんは堂々としていて頼れるんです!」
そう煽てる人間がいる中で、ウチはとりわけ何も感情を抱いていない
何も感じない事を正義の味方につけると、人はとんでもなく楽で自由な人間になれる
ただし反面で、ウチは他人と同じ温度になれる事はない
女上司2「…そういえば皆知ってます?
World Music Festivalに日本人のオケ団体が出場して、グランプリ取ったらしいんですよ」
男上司1「お?皆方さん音楽とか詳しいんですか?」
女上司2「いや、そこまで詳しくないんですけど…
なんか今日のテレビのニュースで特集やっていたので」
男上司3「俺も今日のニュースで見たぞ
なんか、日本人が世界の大会で頑張ってるって知ると俺らも頑張らなきゃなって感じがしてくるよな」
男同僚「競技大会もやっぱり自国の選手が活躍してると応援したくなるものですしね」
男上司3「あぁ
俺も音楽はそこまで詳しくないけど、スポーツはやってるから競技大会とか見ると身体動かしたくなったりしてな」
女上司1「そういうのは私も分かるわ
オーケストラは見ると感動の方が大きくて同じように楽器やろうって発想になかなか辿り着けないけど」
男上司2「佐藤さんは確か吹奏楽やってたんですよね?」
女上司1「中学の時にクラリネットをね
高校の時はテニス部に入っていたわ、大学も違うスポーツやってみたくてチアリーディングとかやってたわ
若い頃は色々挑戦してみたいって私は思ってて…何だか色々懐かしいわね」
男上司3「白膠木は学生の頃何かやってたのか?」
『…え?』
そない話題を振られて、ウチは話の輪に入る
『…別に、何もしてへんですよ
帰宅部やってたくらいですから』
女上司1「あらそうなの?
意外にあっさりしている過去を過ごしてるのね」
『…まぁ…』
ウチはとりわけ何も言わんで、そない話に愛想だけを浮かべた笑いで過去の自分の事を口に出す事はせんでいた
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星猫 - 続編おめでとうございます!高評価しました! (2021年10月5日 9時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユウ | 作成日時:2021年10月2日 16時