第77話 ページ32
盧笙side
颯人「…俺、元からこういう気がそんなに強くない、親から自分の身を守られる家庭で育った人間で…」
幸せな家庭で育ったとその新米教師は言う
その心が芽生えるだけ、しっかりした人間だという心を俺も抱く
颯人「…だけど、そんな生まれ育ちをしたから世の中に悪い人間がいた時にどう対処して良いか分からなくて…
社会学をやって、本当は警察官とか治安を維持する類の人間になれるように自分を成長させる気でいました」
盧「…」
颯人「…でも、やっぱり俺には治安の維持をするために悪い人と戦うとか怖いと思ってできなくて…
結局、俺は自分に甘えるようにして教師を選んだんです
本音で教師がやりたいと思ってなったのとは違くて、逃げた結果の今がある感じで、今自分が教師をやっているのは逃げの果てにいるからだってそういう消極的な思いを抱えて今この場に俺はいます」
そうネガティブな言葉で自分を言う新米君に、何て声をかけてやればええか俺も知らない
俺もある意味逃げるように教職員になったから、その言葉になんて返すのが正解かは分からん
簓と、それからAから逃れるようにして教職員を立場に利用したんは俺も同じや
盧「…何かきっと挫折があったんやな?
それと、何か過去に大きな出来事があったんと違う?
悩みやとか抱えてる苦しい事があるなら俺で聞くで」
そない言うて味方をする気持ちを整え始めると、それを汲み取ったんか彼は口を開く
颯人「…悩みや苦しみとも少し違うんですけど…
抱えている苦しいものはあります、俺が高校生の時のある出来事なんですけど…」
そして俺はこの子が抱えている大きな心の闇に出くわす
それを聞けば何故こんな人間が出来るのかも、あるいは何故結果として教師を目指すようになるのかも分かるような、「彼」という人間を形成した大きくて重たい過去のとある出来事に−−−−
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星猫 - 続編おめでとうございます!高評価しました! (2021年10月5日 9時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年10月2日 16時