キミとお前と、俺の見ている世界2 (ページ26)

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第71話ページ26

『…どう？』

ウチと盧笙で食卓についてウチの作ったプリンを振る舞えば、盧笙は吟味するみたいにウチのプリンを食べよる

盧「…！…美味いで」

『ホンマに？』

盧「ホンマにや

こない短時間でようこのクオリティが出せるもんや」

『…こない短時間言うても2時間は使てるけどな』

そないやり取りをしてウチも自分の舌でプリンを転がす

カラメルの味は分かるけど甘味の吟味をできへんウチは、本音でそれが美味いもんかは分からない

カラメルの苦味を感じ取る瞬間の中にある、一瞬の何か別の味がおそらく甘味なんやろやって予測を立てるようにプリンを食べてまうのがウチや

本音でウチは味覚が鈍くて、自覚した頃には何食べてもどうせ味が分からんから野菜も生で食べられるような人間になった

逆に生で野菜を食べると野菜の味がそのまま分かるような気がして、その本質を分かるような食べ方にウチは正義を見出している

盧「…おおきに

朝から元気なったわ」

『…そか

ほんなら今日も一日頑張ろか』

盧「せやな

お前帰りは今日は何時になりそうや？夜どこか出かけに行って飯でも食うか？」

『…？…何で』

盧「誕生日やろ、お前の」

『…あぁ…』

何となくウチで言いたい事が分かって、ウチも断りを入れる

『…いらない』

盧「…！」

『普通にウチ今日も残業になるやろし、前祝ってもろたばっかりやからそれで十分や

今日は普通に家でええ』

そない言えば盧笙も何も言わんと、「そか」ってウチに返す

盧「無理せぇへんとなるべく早よ切り上げるんやで

誕生日くらい自分に優しくな」

『…おおきに

せやね、頑張る』

ウチは言いたい事を半分も言えないまま、微笑みを浮かべる盧笙に対してウチで嘘言ってるみたいに微笑みで返していた