検索窓
今日:25 hit、昨日:21 hit、合計:2,637 hit

第70話 ページ25

盧笙side


話を聞けば、早起きした事が原因で朝から昨日買うた材料を使てプリンを作るという発想に至ったらしい


その発想はすごいな思う反面で、納得のいかん俺の思考はとりあえずの「成る程」という嘘出まかせを紡ぐ


嘘ばっかり言ったら碌な人間にならないなんて昔幼い頃に常識として教えられる反面で、正直に生きられる人間なんてこの世に何人生き残っているのだろうか


盧「…その発想に辿り着くんはすごいな

卵と牛乳でプリンがすぐに思いつくん?」


『他にもきっと冷静に考えればできるもんは色々あると思うで

でもその時に思いついたんはプリンでな』


Aはおそらく思い立ったら行動に移せるタイプなんだと思う


心に忠実で、口では嘘を吐いても心には常に嘘を言わない正直者


捻くれ者な人間とは違う、真っ直ぐが故に歪んで見えるタイプの損な人間だ


そういう可能性の卵を潰してしまうのは、日本のどこか堅苦しさの溢れ出る「自主性」やとか「個人の力」に目を当てないで、集団の中での個のあり方を認める閉鎖的な考えが普通の常識として受け入れられてるからなんと違うかなんてどうでもええ事を少し考える


盧「…ほんで、その仕上げのカラメルなんやな

やっと理解に追いついたわ」


『そういう事や

固まっとるかな』


Aは俺の話を半分流すように聞いて、冷蔵庫を楽しそうな顔で開けて覗き見る


そしてマグカップを二つ取り出して、揺らして固まった事を確認すると俺に自慢げに見せびらかす


『ええ感じと違う?

ウチも味は食べるまで分からへんから、少し朝から批評会でもやろや』


Aは楽しげに笑って、やっぱりこいつがいるとどこか日常が特別な日々に変わるんやなって魔法にかかったような心地を俺で鈍やかに感じていた

第71話→←第69話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

星猫 - 続編おめでとうございます!高評価しました! (2021年10月5日 9時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユウ | 作成日時:2021年10月2日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。