キミとお前と、俺の見ている世界2 (ページ24)

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第69話ページ24

盧笙side

－－朝6時半－－

盧「…？」

ふといつものように目を開けると、何か少し物音が聞こえる

そこで俺の他に誰かがいるのを察して、あぁあいつはもう起きとるんやななんて実感して俺も眠気を覚える思考から少しずつ頭の冴える感覚に気を持って行く

そして眼鏡をかけて、自分の家やし好き勝手に起きて部屋を出れば、キッチンには笑顔のよう似合う女が静かに笑って鍋と向き合っている

盧「…おはようさん

早起きやな」

『…？…盧笙か

おはよう、ウチ今集中してるから少し後でな』

盧「…」

『よし、と

後はお湯入れるだけ…』

盧「…何しとるんの？」

『…あ、盧笙

今のウチに近付かへん方がええで

危険や』

盧「…？」

『ウチの鍋今から爆発するで』

そない事言われて、ホンマに何してるんや思てつい覗き見をする

『…あ、ダメ！

危ないって！』

Aは驚くような顔と同時に手を傾けて、何かを鍋に入れる

その次の瞬間に起こったのは、朝に流れる時間の静寂を打ち破る大きな騒音(ノイズ)のような破裂音

…シャァァァァッ！！

盧「…！？」

『あー…だから言うたんに…』

俺が音に反応してつい気を取られていると、Aは冷静にそない事言うて俺の顔を見る

『大丈夫？跳ねてへん？』

盧「…？」

『当たったら火傷しとるで

なんぼもないならええけど、料理しとるウチにあまり用心せんと近付くんは勧めへんわ』

盧「…お前、人の家の台所で何朝からやっとるん？」

冷静になってそう問いかければ、Aは何事でもないかのように答える

『え？カラメル作っとるんやけど』

盧「…？」

『お陰様でええ感じの真っ黒焦げやな

カラメルにはやっぱりこない綺麗な黒焦げがよう似合う』

よく鍋を見てみると、そこには綺麗な渋い茶色の液体が艶と白い湯気を出して静かに揺蕩っている

一瞬の音の少し後でまるで落ち着きを取り戻したように、その茶色の液体はAが揺らす鍋に揺れてどこか楽しげな印象を発揮していた

盧「…何でカラメルなんか作ってるんや？」

『プリン作ってたんよ

もうすぐで固まるやろからカラメルも用意しとこう思て』

盧「…」

あまり頭に整理が付かんで、俺は朝から何が起こっているのかAに問いかけと「成る程」を繰り返す会話をし始めていた