キミとお前と、俺の見ている世界2 (ページ3)

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第48話ページ3

『…怒られるんやろな、ウチ』

電話の履歴を見てはそない他人事のようにウチで言うて、色々な思考をウチで巡らせる

これは子供の時からウチで抱えてる、一種の「悪い癖」や

『ウチで怒られるんはええんよ

ウチを怒るだけ盧笙が心配してくれとるって証明やから』

それはウチの本心やし、無関心より情をかけられた方が利益になるんはウチも頭で理解している

でもウチがその情を受け取りたいと願うかは別の問題や

難しい事を言うようでウチの言葉に矛盾が生じるんやけど、「怒られる」のはええとして「怒らせる」のは嫌なん

ましてや相手がウチで怒るのが盧笙の側やって言うんなら尚更や

『…ウチがいい加減で言う事聞けへん我儘な人間やって盧笙で分かってくれればええんやけどな

盧笙の思うような人間とウチはきっと違うんよ、好かれる理由なんてないん』

ウチは確かに普通の人間とは少し違うとウチでも思う

でも盧笙の期待してる程の人間ともきっと違うと思うし、過去に子供みたいに無垢な心で人を好きになるウチはもう捨てた

中身はウチのままとはいえ、考えなりウチの心に多少は変化だってウチにある

『…言うても、心に嘘は言われへんな

ウチも本音で盧笙の事は好きで愛しとるんよ、でもあの日のウチはもう二度とウチで会えないん

あの日のウチはもう既にウチで死なせて消したんやから』

無垢で子供みたいな自分とはもう離別して、大人になって少し盧笙とか簓に近付いたウチが今ここでは生きている

その昔の子供みたいなウチが愛した盧笙は、果たして今と変わりない姿をしているのか

その問いの答えにウチで追いつけないから、今の盧笙の気持ちがウチにもあまり分からない

『…怖いわな、人と繋がりを築くんは

その先にあるんは大概離別の痛みなんに』

ウチは物事にあまり執着しないし、自分の持ち物は極端に少なくしてる自覚はある

重荷をあまりに多く抱えて生きられるとも思っていないし、自分が何かの利益を得る事は大概間違いやって何となくで分かってる部分があるから

結果、味覚も自分が抱えていたはずの弱い心やとか色んな感情の欠片も消えたなら、あとのウチは何を抱えて生きるのか

『…何でこないウチに成長したんやろな

ウチの育て方ウチで間違えたん？』

何かウチで違和感のある物言いをウチでして、でもその違和感に気付けないままウチは盧笙に連絡を入れる気持ちを自分で整える事に決めていた