ウチとアンタと、キミの言の葉3 (ページ38)

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第131話ページ38

レオナside

－－放課後、植物園にて－－

ラギー「レオナさん、結局午後授業サボったんですか？」

レオナ「…るせぇ

疲れてるんだよ、半分も寝てねぇ」

ラギー「えっ？」

あの女は確かに訳の分からない女だ

その言葉に意味なんていうものはまるで乗っていなくて、伝える気があるのかないのか分からない話し方で俺に何かを伝えてきた

その「何か」は紐解いても結局は分からねぇ

だが一つ分かる事があるとすれば、あの女と話していると何もかもがどうでも良いと思えるようになる事

どうでも良くて、悩みなんてもんがちっぽけに思えてくる

レオナ「…まぁ悩みなんて別に俺にはねぇんだがよ

テメェの言ってる通りで、俺だって俺がどうするかは勝手に決めてやってんだ

心配される筋合いもねぇよ」

ラギー「…？何の事ですか？」

レオナ「いやな、少し変な夢を見ていた」

ラギー「夢…？」

あの時間は不思議な時間だったように思える

時間が止まって他の世界と自分が切り離されたような、まるで違う世界で一瞬だけ自分が生きていたような

それは一時の夢で、今ここで生きる俺がその本質を変えるきっかけになる事もねぇんだが

レオナ「…まぁたまにはああいうのに巡り会うのも悪くはねぇな

しょうもねぇ下らねぇ時間だったがよ、それなりに楽しませてもらえた」

ラギー「…どんな夢を見てたんですか？」

レオナ「言わねぇ

言っても伝わらねぇだろ」

ラギー「えっ…いや、まぁ…」

多分あの女には女なりの価値観だとか見方っていうものがあって、それで自分の面子を保ってこれまで生きていたのだろう

それが善とか悪とかはとりあえず置いて、「そういう感じの」人間だって事だけ掴める

それで十分だ

向こうもきっとその程度の認識で俺を捉えて、自分なりの解釈で勝手に俺を分かった気持ちになってあの言葉達を吐いていたのだろうから

レオナ「ねみぃ…部活は少し時間が経ってからな」

ラギー「って…ちょちょちょ、また寝ないで！」

俺はラギーの呼び声も聞かずに、また目を瞑って眠りの中に意識を落としていた