ウチとアンタと、キミの言の葉2 (ページ35)

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第80話ページ35

そして残されたウチは、どないしてええか分からんからその場に留まる

フロイド「アズールも素直じゃねーよね

メスが自分の寮に紛れてるって知って、多少は心配してるって言えばいーのに」

ジェイド「ですが貴女も悪と言えば悪ですよ

アズールは女性の貴女が、自ら命知らずな真似をしている事が気に入らないんです

少し彼は女性の見方に独特の考えがあるという事なのでしょう」

僕は予定外の事が起こる女性も気に入っていますけどね、と胡散臭い笑顔でジェイドは言いよる

要はウチが「普通の女」と違うから苦手に思われた言う事なんやろ

そんなの、ウチが「女」であれ「男」であれ変わらんやん

「ウチ」は「ウチ」である事に違いはあらへんやろ

けどきっとそれはウチが抱えている特別な価値観なんやろな

ウチの信念は「絶えず自分を変えようとする世の中で、自分らしくあり続ける事が一番の偉業や」言う言葉

その言葉を味方につけて普段ウチは生きている

『…ウチもこういうんが嫌われる理由は分かるで

でもあの兄ちゃん、嫌いな相手に食事を無償で提供してくれるなんてすごい優しい兄ちゃんやん

嫌いな相手にそない事普通はできへんもん』

フロイド「…ねぇ、茎ワカメちゃん

俺前から気になってるんだけど」

『おん？』

フロイド「茎ワカメちゃんって、たまに大人びた物言いする事があるよね

それからさ、メシの件もそーだけど、なんていうか普通なら我慢できない事を顔に絶対出して来ないで、対応が色々大人びてるよね

なんかそれって普通じゃねーと思うけど」

何か謎があるの？って言われて、その謎はきっと答えが明瞭で自分が自覚せずに隠してきた事実やって1人感じる

ウチはそもそも「ここの子達と年齢が違う」ねん

違う年齢のこの子達にそない思われても別におかしないし、その疑問は正論やけど、ウチもこの子達と同じ目線に立って過ごしたい思てるんよ

たとえウチがそれでどない思いしたって

『…せやね

その答えを言うんなら、ウチはキミ達より歳が上なんよ

ウチは元の世界で22のおばちゃんやねん』

フロイド「…え…？」

『…今まで言うて来なかったな

学園長には実年齢話してるんやけど、生徒には言わなくてええって言われたから黙ってたわ

歳下の年齢の子供に何言われても何されても気にせんよ、ウチはそない小さい人間違うから』

そう言ってウチは、ウチは変わる事がなくても周りは少しは変化してまうんやろか思て身を構えていた