ウチとアンタと、キミの言の葉2 (ページ32)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:22,316 hit

第77話ページ32

アズール「…」

ウチが食べもんに手伸ばす所を3人はまるで監視でもするみたいに見つめる

そないじっと見張られるとこっちも食べづらいな思いながらも、あまり視線は気にせんでウチもありがたくありつかせてもらう

『…！！うま…』

そして口に含んだ瞬間に自分の頭は言の葉で溢れかえっていく

何やこれ、めっちゃウマイやん

『こない美味いもん食べるの久しぶりやわ

何やこのよう分からん色のソース、訳分からんけどめっちゃ美味い

このよう分からん葉っぱと相性抜群や』

アズール「…見る目はありますね

少し静かに召し上がっていただけるとこちらも幾分嫌な気分にならないのですけど」

フロイド「でも1週間何も食べねーで突然上品に食えって言われても無理じゃんね？

俺だったら多分頭からガブっていくねぇ」

ジェイド「…僕なら1日目の時点で即刻倒れていそうですね」

フロイド「ジェイドは燃費悪いからねぇ」

各々自由なコメントをしつつも、ウチもまた何者にも囚われずに好きに食事を進める手を止めない

普通に美味くて全部食べてみたい言う、興味とか好奇心に近い感情も抱いているから

『！このプリプリのサクッとしたフリットも最高やね

オーロラソースとよう合っとる

一瞬アラスカの景色が見えてもうた』

アズール「…何の話をしているのかは意味不明ですが、気に入ったみたいで何よりです」

眼鏡の兄ちゃんはシラけた顔してそう言いはる

一方のフロイドとジェイドはいつも通りの笑顔でウチを見ている

フロイド「あはっ、いちいち色々言わねーで普通に食えばいーのに、茎ワカメちゃんってやっぱりおもしれー」

ジェイド「本当に、ストレートにものを言うような方でいらっしゃるようですね

十二分に貴女が食事を楽しまれている事は伝わりますよ、「アラスカ」という言葉はよく分かりませんけど」

そう言ってウチがただ食事にありついているその状況を、フロイドとジェイドは楽しそうな笑顔で見つめていた