ウチとアンタと、キミの言の葉2 (ページ18)

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第63話ページ18

盧笙side

『…簓には絶対に言わんで

学校のセンセに言われても痛うないんやけど、簓だけは堪忍や』

盧「…何でや

学校のセンセに言われる方がキツイんちゃう？大学の内定は？」

『あるで

受験して短大受かっとるん

それで安心して簓も家を出る事ができてるんや、せやから心配かける真似はせえへんで

…頼むわ』

Aは何が原因か分からないものの、簓を第一に優先して考える物言いを稀にしていた

自分の不利益よりも簓の感情的な部分に触れて、それを振り翳してこっちの行動に文句を言うような事をする癖があった

逆に言うんなら、自分の事に関しては何もかも当事者意識を持たずに他人事みたいに話す癖があった

どうでも良い、どうにでもなれって自分が転がるのも転がされるのも否定をしない奴やった

言い方を変えるなら、異様に自己否定感の強い、単なる自虐とは違う何か暗い影を持つ存在やった

それが何でなのかは、俺にもよう分からへん

『…ウチはな、簓を昔泣かせた事があるねん

その時からウチは、簓の人生に深入りしないって決めてるんよ

ウチのせいで不幸にしとうないって思うから』

ある時確かAはそう言ってた

その言葉から簓とAの間に何かしら壁があるっちゅー事は見抜いてる

でもだからといって、簓はAに何も悪い感情を抱いていない

それを近くにいる俺は見抜いている

でも逆にこうも思うんや

「悪い感情を抱いていない言う事は、裏を返してみればその存在は自分の中で大した存在やないって思ってる言う事を肯定する事に繋がる」っていう問題が2人の間には隠れてるんやないやろかって

盧「…簓、お前はAを舐めすぎてるん

もっとAの本心に触れたって、殴ってでもAの事引き留めてやらなあかんねんよ

…こない状況になって、引き留める言うても言葉も伝わらんかもしれへんけどな」

過去に起きた出来事を自分視点で話して、そういった言葉で俺は締めくくっていた