ウチとアンタと、キミの言の葉2 (ページ16)

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第61話ページ16

盧笙side

『…何で躑躅森さんがそない事ウチに言うねん

関係ない話やん、無視して何も知らんフリしてどこか行ってまえばええねん』

盧「…ッ…！！」

その態度がやけに気に入らんくて、俺も煽られて怒った

今自分が教師やってるから思うんやけど、典型的な「他人の言葉を聞かない」捻くれ者な女の子やった

けどそういう子に問題が隠されている事も、同時に俺は理解している

盧「…ッ…そない事できるか

見知った相手が殴られて血ぃ流してるんに、無視して通れなんてお前は何を言うとるんや？」

『いやだからね、関係ない話やろ？

別にここでウチが死んでも、躑躅森さんに迷惑にならへんやろ？

それにウチの死に関心持つ奴なんやいない、ウチが死んでも誰も悔やんだりせえへんねやからウチを怒って止めても無駄やで』

盧「…ッ…ふざけた事抜かすんやないッ！！」

パシィンッ！！

『…ッ…！？』

女に手出すのは最低やって自分で言うたのに、俺も結局その日のAをビンタして傷付けてもうた

でもその日、Aは心から笑って俺に信頼を預けるようになった

『…

殴って怒ってくれるなんて、盧笙は優しいんやね』

盧「…！！」

一瞬の驚きの表情の後、目の前にいるAは叩かれた頬を撫でながらゆっくりと嬉しそうに笑う

そこに何か深い意味があるはずやって思って、以降Aと打ち解ける事になったのもきっとこの日の出来事がきっかけなんやろな

『…ウチを怒ってくれるような人間なんて、近くにおらんねよ

あー今のは痛いわ、効いてるで

生きてるんやなって嫌でも自覚してまう』

そう言って何が可笑しいんか何も分からへんねやけど、楽しそうに笑い始めるAを目の当たりにして俺の怒りもだんだん凪いでいった