第58話 ページ13
盧「…ほんで、Aは相変わらずの調子なん?」
そう言って盧笙は少し陰りのある顔でその話題を振ってくる
その話題に俺も零も真面目な顔に変わる
簓「…相変わらず眠って起きへんままや
自己呼吸もできてへんで、眠って起きても後遺症が残るかもしれんって昨日お医者さんに言われたばっかりや」
零「…嬢ちゃんは何で飴村乱数に巡り会っちまったんだろうねぇ」
簓「さぁな…」
そして一回会話が途切れて、その後に違う振り方で盧笙がまた話をし始める
盧「Aは、消えたい言うてた覚えはないか?」
簓「…おん?」
盧「…たまに心配になる事があったんや
あいつが高校の頃やろか、俺それでいっぺんあいつシバいた事あるねん」
簓「それ初耳なんやけど…?」
零「…何したの?」
盧「お前とコンビ解消した後やったかな…」
そう言うと盧笙は俺の知らん所で起きていた話をここで教えてくれる
盧「あいつ自分が不良に絡まれてるんに、助けも呼ばんと不良と戦ってた時があるねん
すぐにそれ見つけてその不良は俺がシバいて追い払ったんやけど、その後「放っておいてくれたら良かったやん」「ウチは別に殴り殺されたってそれでええんよ」言うてな」
簓「…!?…は…?」
盧「それで俺も気が立ってたから、「ふざけた事抜かすんやないよ」言うて、それでもあいつは「ウチが死んでも誰も悔やんだりせえへんねやからウチを怒って止めても無駄やで」言うて笑てた
訳が分からんで、あいつの目覚ましたる思て一回ビンタして痛い思いさせてもうた事がある
…それでもあいつはビンタされた頬撫でながら、「盧笙は優しいんやね」言うて笑てたんやけどな」
簓「…」
俺はその当時の盧笙の話を聞いて、俺の知らん事がまだまだいっぱいあるっちゅー事を理解していた
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年7月31日 13時