もっと溺れちゃえばいいのに(桃)

18．じりつ ページ18

Aside.

やっと体調が良くなり、喉の腫れも落ち着いて話せるようになった。

それから3日は過ぎたのだが、さとみくんがさらに過保護になった気がする。

でも、わたしもさすがに可笑しいと思い始めた。

手足の筋肉は徐々に戻始めているみたいで、すこしの距離なら走れるくらいになったし

ある程度の家事はさとみくんがやってたのを見てたから分かる。

さとみくんは病気だからって言ってたけど、こんなに回復してるならもう治ってるんじゃない……？

それならもう普通の生活できるし、なんでもやってもらわなくても大丈夫になるよね。



……さとみくんに言おうと思うんだ。

自立したいって、自分でできることを増やしたいって。

喧嘩になっちゃうかも。

………捨てられちゃう、かも。


でも、その方がさとみくんも楽だろうし…

いいよね、お互いに。

ここまで良くしてきてもらって申し訳ないけどね。

早速、リビングのソファに腰かけるさとみくんに話しかける。

『あの…さとみくん。』

さ「ん？どした。」

『っ…あの…ね。そろそろ、自分でできることを増やしたいなって思ってて…』

さ「うん。それで？」

『あ、それで、さとみくんが言う病気？もこんなに回復してるならもう治ってるんじゃないかなって。』

俯いてるから顔が見えなくて怖い。

否定されたら、捨てられたらどうしよう…

『だから、これまで見たいにやってもらってばっかりばっかりじゃなくて、少しでも自分でやりたくて…。』

そう言いきり、俯いていた顔をあげると怒ってるような泣きそうな顔をしていた。

驚きが隠せず固まっていると、ガッと肩を掴まれる。

さ「…んで。」

『っえ…？』

さ「んで…なんで…なんでなんで？は？なんでなんでだよ…は？なんで、なんでなんでなんで？どうして…？なぁ…！？なぁ！？なんでだよ。なぁ！？」

怖い…

こんな…知らない……

さ「っはは、なぁ。冗談だろ？…そうだよな？お前がそんなこと言うわけ無いよな…？？」

『…っじょ、冗談じゃないよ…。捨てられてもい、いから。少しはやりたい…。』

怖い、怖いけど。

ここで折れたら何も変わらない。

少しも成長できてない…。ちゃんと、抵抗しなくちゃ。

さ「っ…分かった。」

『っ、じゃあ…！』

さ「動けなくなっちゃえばいいよな。そうすれば何もできないし、な？いいよな。…なんとか言えよ！！なぁ！？」

呆気に取られている内にぐいっと引っ張られる。





そう。この出来事で全てが壊れたの

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