13.かぞくなのに ページ13
Aside.
どうしよう…
頭真っ白…動けない…
混乱して鞄を投げる。
鞄はお母さんの足元に落ちて、それにつまづいて転んだ。
お母さんが起き上がってる間に距離を取る。
それでもじりじりと迫ってくるお母さんに後ずさりする。
ふと、スマホが目にはいる。
一番忘れちゃ行けなかったのに。
何かあったら電話。
さとみくんとの、お約束。
そろそろ終わりの時間だったから、でてくれるかな…?
プルルルルル…
無機質な音がなる。
ピッ、という音がして、大好きな彼の声が聞こえる。
さ「もしもし。いま終わって帰るとこだけど…どうかしたか?」
よかった、ワンコールででてくれた。
動かない足を引きずりながら、壁沿いに歩く。
『っ、あのね、おか、お母さんがっ。』
さ「っ!今どの辺だ!?」
『あ、えっと…○○町の…』
さとみくんは分かった。と一言呟き電話をきった。
彼の声で少し落ち着いた私はしっかりと立ち直し、スマホと散らばった防犯ブザー、財布を持って走る。
足には力が入りにくくて、速くは走れないけどお母さんとの距離は離せる。
一時間ほどでさとみくんが到着。
ほぼ同時にお母さんが追い付いてきた。
さ「っ、ほら倒れてた車椅子取ってきたからもう行こう。」
母「ねぇっ…ねえ?Aの彼氏さんかしら…?あ、それとも旦那さんかしら。酷いわぁ…挨拶もしてくれないなんて…」
母「私達、家族なのに」
私達、家族なのに。
その言葉がどうしても胸にひっかかる。
家族…?
どこが。
『わたしのことっ…邪魔者だって…お金を稼ぐ道具だって行ったくせにっ。もう、縁も切ったでしょ…?』
母「っ…縁切りなんて、わたしは許してないからね!?」
さ「…もう行こう。怪我の手当てしないと。」
さとみくんに言われて気づく。
足は血だらけ。自分で見ても痛々しい傷だった。
さ「…これ以上近づいたら接触禁止にしますから。」
母「っ…もういいわ。どうせあんたなんて愛されずに捨てられるのよ。じゃあね、もう関わらないから。」
そう言ってお母さんは去っていった。
わたしは力が抜けてその場に座り込む。
傷だらけの膝が痛い…。
さ「もっと早く来ればよかった…。ごめん。ごめんな。」
そっと抱き上げられて、車椅子に座らせられる。
捨てられるのよ。
その言葉がぐるぐると頭のなかで回っているなか、いつの間にかホテルに付いていた。
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lemonさま(プロフ) - 最後はハッピーエンドだ! (2022年1月13日 16時) (レス) @page33 id: ecf80c14dc (このIDを非表示/違反報告)
もふゆちゃん(プロフ) - ちゅたさん» ありがとうございます!ここまでついてきてくれて嬉しいです!! (2021年11月24日 6時) (レス) id: 36f1c547cd (このIDを非表示/違反報告)
ちゅた - 完結おめでとうございます-!!! 最後鳥肌やばかったです、、、本当にお疲れ様でした!!! (2021年11月23日 23時) (レス) @page35 id: ab528fb4a7 (このIDを非表示/違反報告)
もふゆちゃん(プロフ) - ぽてさん» ありがとうございます!ここまでついてきてくれた皆さんに感謝です!ありがとうございました! (2021年11月22日 6時) (レス) id: 36f1c547cd (このIDを非表示/違反報告)
ぽて - 完結おめでとうございます!面白かったです!!本当にお疲れさまでした!!! (2021年11月21日 19時) (レス) @page35 id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もふゆちゃん | 作成日時:2021年10月30日 12時