145話 ページ47
制止の声に目もくれず、家を飛び出した私は実家へ向かって走り出す。
運動していなかった為か、少し走ると息が荒くなる。
そこに近づいて行くと身体が次第に熱くなる。
火だ。
「………ｯまだ、間に合うっ！」
玄関のドアを開けて家の中に入る。
リビングには既に火がパチパチと音を立てて燃えており、その中にいくと燃え死にそうだ。
「あ、あれって…」
リビングに飾ってあった両親との思い出の写真。そして、幼なじみとの写真―――。
「っくそ！」
あまりの悲しさに涙さえ出ず、ギリギリと歯を食いしばり、自分の部屋へと続く階段を登った。
…こういう事を不幸中の幸いと言うのだろうか。
私が1番求めていた"それ"は燃えておらず、大切に棚にしまってあった。
「良かった…」
それを取り、ぎゅっと抱きしめる。
……………ガタン！！！
下の方で物音がした。
「そろそろ戻らないと家が燃え尽きちゃう」
それを大事に抱えたまま、家を飛び出した。
グルッペン君達の、今の私達の家へと向かう。
たったったっ、と足音を大きく出して
はぁはぁと息を吐く。
行きも走って帰りも走る。
体力が元々そんなに無い私からしてはこんなの小学生の時にあったマラソン大会並みにキツい。
「も、すぐ…！」
大きな家が見えてきた。
距離がそんなに遠くなくてよかった。
バタッ！
道端にあった大きな石につまづいて転んでしまった。
こんな歳になって転ぶのは恥ずかしいと、周りに人が居ないのに顔を隠しながら立ち上がる。
と、膝を擦りむいてしまったのか鋭い痛みが全身に走った。
思わずしゃがみこむと、肩をとんとん、と叩かれ、「大丈夫ですか？」と手を差し伸べてきた男の人が居た。
「あぁ、ごめんなさい。大丈夫です」
そう言って男性の手をとると、急にぐいっと引っ張られた。
「…!?な、なに！」
男「あまり、人を信用しすぎるといけませんよ？…こんなことになるんですから」
男性は私の頭に袋を被せ、目に映るもの全てを遮断する。
その後、複数の男性が来て、口にはガムテープを貼られ、手と足にはロープを縛られ、車の中に乗せられる。
ぽと、と手に持っていたそれを車内に落とす。
「〜〜〜！！！」
全力で助けを呼ぶも、「そんなに叫んでも誰も助けてくれませんよ」と男性が言う。
………連れてこられた場所は、ひんやりとしたコンクリートが広がった場所のような気がした。
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ぽわふさ(プロフ) - 凜さん» 良かったです。自分自身、上手く書けている気がしていなかったもので…。ありがとうございます！毎日更新出来るよう、頑張りますね！ (2020年4月9日 22時) (
レス) id: 82ace63b88 (このIDを非表示/違反報告)
凜 - これを見ると元気が出ます。毎日更新されるのを願っています (2020年4月9日 19時) (レス) id: 73f9389ece (このIDを非表示/違反報告)
ぽわふさ(プロフ) - まつりさん» そう言っていただけてこの上なく嬉しいです！ありがとうございます…！wrwrdさんとの絡みももっと増やしていきますね！頑張りますっ！ (2020年3月31日 16時) (レス) id: 82ace63b88 (このIDを非表示/違反報告)
まつり - 最高です！神です！！大好きです！！ストーリーが本当に大好きです！！(語彙力)更新頑張って下さい！応援してますっ！！ (2020年3月31日 15時) (レス) id: 9861bf3927 (このIDを非表示/違反報告)
ぽわふさ(プロフ) - manaさん» ありがとうございます！このシリーズがここまで続いているのも読者さんのお陰です。これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2020年3月26日 18時) (レス) id: 82ace63b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽわふさ | 作成日時：2020年3月11日 20時
