136話 ページ38
そこに居たのは、目を見開き、驚いた顔をするトントン君だった。
勿論、それには私も驚く。
「なんで…」
この言葉以外の言葉が出てこなかった。
トントン君は私を見つけると、駆け足で私に近づいた。
tn「だっ…大丈夫なん!?何もされてへん!?」
肩を揺さぶり、血相を変えて言うもんだから、コクコクと頷くしかなかった。
すると、トントン君は自分の携帯の電源を入れ、何やら打つ。
…凛ちゃんとの約束だった「話さない」は守れそうにない。話さないようにしなきゃ…
tn「家に帰るで？」
手を差し出すトントン君。私はそれに応えることは出来ずに、ただ後ろに下がる。
無理だと、首を振って。
tn「なんでなん？…飯も、まともに食ってへんのやろ？」
「痩せとる」
と、トントン君は心配そうに言う。
それでも、私は後ろへと下がる。壁に近付いて、これ以上下がれないくらいに。
自分でもこんなこと、ダメだって分かっている。同じ家に暫く住み、お世話になった人だ。そんな人相手にこんなことしたくない。迷惑かけたくない。
……でも実際、迷惑かけちゃってる。
tn「…涙…どうしたん…！」
トントン君のその言葉で、私は、自分が泣いているのを自覚した。
すると、遠くから数人の足音が聞こえてきた。
トントン君は「やっと来た…」と呟いた。
kn「A!?大丈夫か！！」
zm「無理したらあかんで！」
syp「やっと、見つかったっすわ…」
rb「心配させんといて…！」
os「うぅぅ…。良かった…」
ci「何してたん…!?」
em「家に帰ってきて下さい…！」
ut「…家にも顔見せへんってなんでなん…？」
syo「何が…あったん…」
gr「Aが居ないと楽しくないゾ」
泣きそうな顔の人。嗚咽を漏らしながら、泣いている人も居た。
こんな私なんかに、なんでそこまでするのだろう。
逃げ道を封鎖され、もう何処にも行けない状況になった。
tn「なんで、話さないん？誰かに口封じでもされたん？……そんなに、俺達頼りないんか？」
トントン君は顔を歪め、涙を堪えるかのように言った。
……話したくて、話したらダメで。
でも今話しておかないと、心の中にあるモヤモヤが無くならない気がして。
何より、「どんなに窮地に追い込まれても、私達親が贄として出されても、自分がしたいようにしなさい」という母の言葉を思い出し
勇気を振り絞って話し始めた。
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ぽわふさ(プロフ) - 凜さん» 良かったです。自分自身、上手く書けている気がしていなかったもので…。ありがとうございます！毎日更新出来るよう、頑張りますね！ (2020年4月9日 22時) (
レス) id: 82ace63b88 (このIDを非表示/違反報告)
凜 - これを見ると元気が出ます。毎日更新されるのを願っています (2020年4月9日 19時) (レス) id: 73f9389ece (このIDを非表示/違反報告)
ぽわふさ(プロフ) - まつりさん» そう言っていただけてこの上なく嬉しいです！ありがとうございます…！wrwrdさんとの絡みももっと増やしていきますね！頑張りますっ！ (2020年3月31日 16時) (レス) id: 82ace63b88 (このIDを非表示/違反報告)
まつり - 最高です！神です！！大好きです！！ストーリーが本当に大好きです！！(語彙力)更新頑張って下さい！応援してますっ！！ (2020年3月31日 15時) (レス) id: 9861bf3927 (このIDを非表示/違反報告)
ぽわふさ(プロフ) - manaさん» ありがとうございます！このシリーズがここまで続いているのも読者さんのお陰です。これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2020年3月26日 18時) (レス) id: 82ace63b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽわふさ | 作成日時：2020年3月11日 20時
