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第七話 【神谷信也】 ページ7



 「分かってるってー」

 私が笑顔でそういうと、理玖ちゃんは疑惑の目で私を見詰めながら溜め息を吐いて出て行った。

 やはりお母さんだ。と言うか、何だかんだ言って理玖ちゃんは私に甘いよ。

 「しかし、私、書道だけは苦手なんだよね」

 私の能力は皆と違って、常時発動している。先天性の、技名も何もない能力。

 私の能力は水を自由に操れるが、私が触れた水は液体にはならない。固体と液体の真ん中のようなスライム状態になってしまう。故に。

 【墨を擦っている時、少しでも体の一部が触れたらアウトだよナ】

 「そうなんだよねー。だからできないのだよねー」

 困ったなぁ。

 「部活自体が地味だから、何をやってもパッとしないし、一人しか居ないから出来る事もたかが知れている……。さぁて、如何しようかな」

 【信也お得意の演説ハ? それのお蔭でそんなナリでも風紀副委員長になれたんジャン】

 「てる、言葉が汚いよ。私は、下品なものは、嫌いなのだけれど?」

 そういって叱れば、てるはすぐ謝ってくれる。謝り方が気に入らないけれど、てるの精一杯の誠意なんだと、納得しているし、無駄なことに口出しはしない。

 【おお、そうだそうだ、信也の放送で、きっと華威ちゃん怒ってるゾ。あの子放送委員だロ?】

 「あー……彼女か。きっと私を殺す勢いだろうねェ」

 私は茶道で使う道具を磨きながら言った。

 【彼女か、とか言って、どうせ顔覚えてないだロ】

 「あ、ばれた? 理玖ちゃんの幼馴染だという事は知っているけれど、顔とかさっぱり。何かいつも怠そうにしていたよね」

 【信也、お前さぁもっと他人と関わっていこうゼ】

 「これでも十分関わっているさ」

 私は笑いながら言った。

 そう、十分関わっているさ。

 

第八話 【一ノ瀬理玖】→←第六話 【時春 華威】



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時雨ンジャー@堕天使さっきー(プロフ) - 柏。さん» お疲れ様! (2017年9月19日 17時) (レス) id: f232c389ed (このIDを非表示/違反報告)
柏。 - 終わった! (2017年9月19日 0時) (レス) id: dc53ed611e (このIDを非表示/違反報告)
柏。 - 更新しまーす! (2017年9月19日 0時) (レス) id: dc53ed611e (このIDを非表示/違反報告)
時雨ンジャー@堕天使さっきー(プロフ) - 森のくまさんさん» おかえり!! (2017年8月27日 20時) (レス) id: f232c389ed (このIDを非表示/違反報告)
森のくまさん(プロフ) - やばい、久しぶり過ぎて可笑しいことになったけど終わったよ (2017年8月26日 15時) (レス) id: c92899c664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:学園創立者 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tekitouni  
作成日時:2017年7月5日 17時

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