【小説】ドリム学園 (ページ6)

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第六話　【時春　華威】ページ6

『これぐらいかな…』

ホワイトボードをひっつり出してきて、候補曲を書き込んでいく。

シャルル、フラジール、ヒビカセ、orion、ライアーダンス、偽りの未完成小説…

暗い曲ばっかだなぁ…

理玖にも一応聴かなければ…

「華威、ただいま。」

『あ、おかえり。フェニックスおいで…』

[おう、寂しく無かったか？]

『寂しくなかったらこんなことしない。』

っとフェニックスをギューッと抱き締める。

落ち着くんだな、これが。

「華威、候補曲はこれだけか？」

『あ、うん。理玖の意見も聞きたいんだけど、なんかある？』

ホワイトボードを見て言った理玖にそう答える。

「そうだな…」

考え始めた理玖を見詰めながら、不意に海の事を考える。

いつまでたっても伝えられてないこの気持ち。

海は何時もそばにいてくれてるけど、それはきっと幼馴染みだから。

僕よりもっと可愛い子も沢山いるし。

きっと僕なんかの気持ちを伝えたところで迷惑なだけなんだろう。

そんなマイナス思考に陥っていると…

「地球最後の告白…は？」

と理玖が口を開いた。

『嗚呼、kemuさんの？』

僕はメロディーと歌詞を思い出しながら言う。

たしかラブソングだよね。

「そうだな、歌えるか？」

『あ、うん。基本的にボカロは歌える。』

「なら、フラジール、ヒビカセ、偽りの未完成小説、地球最後の告白で決まりだな」

『ok。地球最後の告白以外は一番だけで良いよね？』

「嗚呼、他の部活を見回って来るから、フェニックスとベースと歌の練習でもしていてくれ」

『はーい、今度は独りじゃないや…』

「ん？何か言ったか？」

『べつにー？』

ニコッと微笑んで見せる。

そうすれば理玖も心配しないでいてくれるから。

作り笑いは得意なんだよ。

ちょっと辛いけど。