第十七話【神谷信也】 ページ17
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「あの、うちのクラスの出席確認できました。誘導の手伝いとかってしたほうがいいですかね?」
「え?」
理巧ちゃんの答えも聞かず、ふらふらと体育館を出ようとすると、茶髪の一年生にばったり会った。
「一年生はまだ入ってきては駄目なのだよ?」
「あ、すみません。あの、でも、人が足りないんですよね? 手伝い、とか、要りますか?」
ありゃ、私の苦手な良い子ちゃんだ。
「大丈夫さ。君のクラスは?」
「あ、一年A組で全員揃いました」
「分かったよ、有り難う。では君のクラスは私が担当しよう。なぁに安心したまえ。これでも私は実力者でね。あの生徒会長ちゃんといい仲なのだよ」
ふざけて一年生を混乱させていると、私達の会話が聞こえていたのか、理巧ちゃんがマイクを通して
「おい信也! 一年生に変な事を吹き込むな!」
「むうぅ……分かったよ。理巧ちゃんは真面目だなぁ」
私は頭を掻いてから、ちらりと一年生を見た。
私の事を凝視している。
さしずめ私の格好に驚いているのだろう。なんて言ったって、着物に髪の毛を染めていて、黒のピアス二つだものね。何処から見てもヤクザの若頭みたいなものだよね。先生も注意しないし。
「そうそう、君、その茶髪は地毛かい?」
「あ、はい。そうですけど……」
「そっか、疑って悪かったね。では参ろう。今日の新歓、楽しんでいってくれたまえ」
私は一年生を引き連れて一年A組へ。
二回、教室のドアをノックして前のドアから入る。
私が入ってきた瞬間、教室内がざわめいた。
いい空気になったねえ。
「それでは一年生の皆さん、初めまして。一年A組は私が誘導させて戴きます。あ、もう並んでるんだね。いやぁ優秀だねぇ。私のクラスなんか、もうごちゃごちゃしていて大変だよ。ま、私は学級委員でもなんでもないんだけど」
私がペラペラ話している間、一年生達は終始無言。
だよね。
「では皆さん私の後に着いてきてくれたまえ。あ、てるを紹介していなかったね。この肩に乗っているのが私の相棒のてる」
【宜しくナ!】
「よ、宜しくお願いしまーす」
てるの紹介に微妙な反応の一年生達。
詰まらないと思いながら、私はまた、体育館へと向かった。
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時雨ンジャー@堕天使さっきー(プロフ) - 柏。さん» お疲れ様! (2017年9月19日 17時) (レス) id: f232c389ed (このIDを非表示/違反報告)
柏。 - 終わった! (2017年9月19日 0時) (レス) id: dc53ed611e (このIDを非表示/違反報告)
柏。 - 更新しまーす! (2017年9月19日 0時) (レス) id: dc53ed611e (このIDを非表示/違反報告)
時雨ンジャー@堕天使さっきー(プロフ) - 森のくまさんさん» おかえり!! (2017年8月27日 20時) (レス) id: f232c389ed (このIDを非表示/違反報告)
森のくまさん(プロフ) - やばい、久しぶり過ぎて可笑しいことになったけど終わったよ (2017年8月26日 15時) (レス) id: c92899c664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:学園創立者 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tekitouni
作成日時:2017年7月5日 17時