【小説】ドリム学園 (ページ15)

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第十五話　【時春　華威】ページ15

『意外と疲れるよな、ステージの準備って』

[口を動かしてるからじゃないか？]

ウルサイな・・・。と口を尖らせながら、着ていたパーカーのフードをとった。

ライブの時は、黒いYシャツと赤い短パン、黒タイツに理玖と色違いのパーカーを着てるんだ。

猫耳がついてるから意外と気に入ってる。

『後は、ドラムと、今日はフルートとアコギは使うかな？』

[今日は使う楽器が多いんだな]

『うん、kemuさんのはいろんな楽器で弾きたいからね』

理玖の契約者、青龍に答える。

青龍は人間体だけど、フェニックスは鳥。

そこの差はあるけど二人とも頼りになる。

『よっしゃ、終わったから休憩しようか』

話している間に準備は終わってもう、残すは本番だけ。

僕はカーディガンのポケットからパウンドケーキを取り出して二人に云う。

[おお！食べよう！食べよう！]

[私も少し頂こう]

『ほい、二人とも仲良くね、僕は一寸、理玖の様子を見てくるよ』

壱枚だけ、パウンドケーキを口に加えて理玖を探す。

大変そうだったら手伝わないとな。

テンションが下がんないうちに皆に最高なステージを魅せたいから。

『頑張んないとな』

小さく呟いて、理玖を探すために能力を発動させる。

『理玖を探して』

小さな黒い蝶に命令させて飛びだたせる。

本当は、殺戮系の能力なんだけど、柔軟性が聞くから便利だ。

『早く見つかんないかな・・・』

そう思いながら僕はステージに足をぶら下げた。