第十三話【神谷信也】 ページ13
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「理玖ちゃん、私は如何すればいいんだい? これでも一応二年生なのだけれど、私、会場にお習字飾らなくてはいけないのだが」
私は凛とした声で生徒達に指示をする理玖ちゃんに聞いた。
「なら信也は後でいい。しかしな、その髪の毛は如何にかならないのか? 流石に風紀副委員長がこれじゃあ一年生達に示しがつかん」
理玖ちゃんは溜め息を吐きながら私の髪を指差した。
私の髪。これは勿論地毛ではない。地毛は着物がとても良く似合う、綺麗な々々々母親譲りの黒髪だ。
「大丈夫だと思うけどなぁ」
「君が言うと本当にそうなりそうで怖い」
「え、良い事じゃん。示しがつかなくなったら、理玖ちゃん自らの手で私を罰せればいいのさ。君の好感度が上がっていいじゃないか」
理玖ちゃんが複雑な顔をしながら私を見詰める。
私は気づいていてもそれに構わず続けた。
「あ、その時は麻縄で私の体を強めに縛ってね」
「何故そうなるっ!」
「さあ」
私はトントンっとテンポのいい、胸に自然とスッと入ってくるようなリズムで台に登った。
「さあてと、頼まれた新入生歓迎って書かれた紙、何処に吊るすの? 真ん中?」
「出来れば」
「でも、そしたらスクリーンに重なるんじゃない?」
「そうなんだ。如何するかはまだ決めてなくてな」
「へー。じゃあ適当に遣っておくよ。大丈夫、私の適当は常人の真剣、だからさ」
【信也、ウゼェゾ】
「てる、言葉遣いが汚いよ」
「悪いな、色々と遣ってもらって」
理玖ちゃんが私の背中に言った。
彼女もきっと私の方を向いてはいないだろう。
「さあて出来た。次は二年生としての役割だね」
と言いたいところだけど、生憎私は学級委員じゃないし、ここら辺でサボって居ても大丈夫かな。
「理玖ちゃん、三年生が少し声を足りないみたいだし、あんな厳つい男の先輩達が行っては一年生が大泣きしてしまう。ここは一つ、私に一クラス任せてくれないかな?」
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時雨ンジャー@堕天使さっきー(プロフ) - 柏。さん» お疲れ様! (2017年9月19日 17時) (レス) id: f232c389ed (このIDを非表示/違反報告)
柏。 - 終わった! (2017年9月19日 0時) (レス) id: dc53ed611e (このIDを非表示/違反報告)
柏。 - 更新しまーす! (2017年9月19日 0時) (レス) id: dc53ed611e (このIDを非表示/違反報告)
時雨ンジャー@堕天使さっきー(プロフ) - 森のくまさんさん» おかえり!! (2017年8月27日 20時) (レス) id: f232c389ed (このIDを非表示/違反報告)
森のくまさん(プロフ) - やばい、久しぶり過ぎて可笑しいことになったけど終わったよ (2017年8月26日 15時) (レス) id: c92899c664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:学園創立者 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tekitouni
作成日時:2017年7月5日 17時