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8 蜂蜜の匂いがする ページ9

体の訛りを取り戻す為と、二度と迷子にならない為に本部の周りを走っていた時に蜂蜜の匂いのする女性とすれ違った。


「(確か…)」


「貴方、お館様が言ってたA君だよね!私恋柱 甘露寺蜜璃よろしくね!」


そう、あの最悪の場にいた桃色の髪の女性。
一度迷子になった時蜂蜜の匂いと、あの場で嗅いだ蜂蜜の匂い。そして今の匂い。
彼女はとても甘い香りがする。


「あの場にいた柱の殆どが俺に負の目を向けていたのに君は俺にむけてなかったよね」


そう、あの場で負の感情を向けていなかったのは炎柱、岩柱、そして恋柱の彼女の三人だった。


皆に向けられると思っていたので、紹介も何もされずに今まで通り剣士と関わりを持たず剣士になるのだと思っていたので、この三人には疑問に思っていたのだが、二人については先日解決したので残りは彼女だけだった。


「確かにお館様に無礼な態度でちょっと怒れちゃったけど、君には理由があると思ったから」


えへへと頬を染めて甘蜜璃は言った。


「俺もそうなると思って柱には会いたくなかったんだけどなぁ…」


だからと言って今から耀哉を敬おうとは思わないのだが…。尊敬はしている。うん。


「かん口令があるから、俺からは何も言えないんだよね…。過去に俺失敗してるし…」


「そうなのね!お館様が話さないって事は今はその時にではないのね」

理解が早くて助かるよ…。
二人が話しているとAの背中側から見えた姿に甘露寺が声をかける。


「しのぶちゃーん!」


甘露寺がAの背中の方にいる人に大きく手を振る。


「甘露寺さん、それに…。」


虫柱 胡蝶しのぶが此方に近づき、甘露寺の隣に並ぶ。


「六条Aです。今は産屋敷でお世話になってます」


「ええ、存じてます。」


笑顔が怖い。とても。ブチ切れた母を思い出す。
あれは喧嘩を売るものでは無い。


「彼女は虫柱の胡蝶しのぶちゃん!とっても凄いんだよ!」


嫌な雰囲気を感じた甘露寺が慌ててフォローに入り胡蝶を紹介する。


「ああ、あの鬼を殺 す毒を開発した方ですね。剣士の名前は把握しているのですが、顔と名前が一致しなくて…ありがとうございます。甘露寺さん」


「そんな甘露寺さんなんてかしこまらなくていいのに!」

「甘露寺さんや私にはちゃんとした言葉を使うのに、お館様には使わないんですね」

「かん口令があるので、俺からは話せません。其の時が来たら耀哉から話があると思いますよ」

「そうですか」

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冴輝(プロフ) - 小雪さん» 誤字の連絡ありがとうございます。宜しければどこの部分に誤字があったか教えて頂けますか? (2020年4月21日 18時) (レス) id: cfad016dbd (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 陰(いん)でわなく隠(かくし)だと思います。後処理隊は (2020年4月21日 17時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冴輝 | 作成日時:2019年10月4日 4時

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