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Aが眠った次の日の夜。
眠っているAの横に産屋敷耀哉と煉獄杏寿郎が座っている。
「影の呼吸の修行は過酷なものなのでしょうか」
「歴代の影の呼吸の使い手の日記によると、肉体が死 なないから殺 されては再生されの繰り返しだと書いてあったよ。」
「体は人間とはいえ、鬼と似たような経験をするのですね」
「その為、ただでさえ少ない歴代の影の呼吸の使い手の中には鬼に同情する者もいたそうだよ。」
「そうですか…」
Aはそうなって欲しくないと杏寿郎は願うばかりだった。
それから六日程でAは目を覚ました。
第二段階の修行は無事に終えたが、精神は摩耗していた。
「(きっつ……。予想の範囲を超えてた…。あんなに殺 さなくてもいいだろ…彼奴…)」
布団から起き上がり、力の入らない体を無理やり動かし、フラフラになりながら閉じていた障子を開けると夜だった。
今日の月は満月だ。
縁側に座り月を見上げる、今も鬼と戦っている剣士がいる、鬼食べられている人間がいる。でもこうして時は流れている。
先程まで死よりも辛い修行を終えたばかりだが、少しばかり焦りも出る。
早く修行を終え、家に戻らねばと。
ふと人の気配がし、其方を見ると南無阿弥陀仏と書かれた羽織を着て大きな数珠を首から下げている大男が此方に向かって歩いて来ていた。
向こうも此方に気付くと隣に静かに腰を下ろした。
この人は確か、あの紹介の場にいた人ではなかったか?
そう言えば俺はそれぞれの柱の自己紹介もされずにあの場を去らなかったか?
柱の名前は覚えていたが、顔は知らないため隣にいる大男がどの名前なのか分からない。
またうーん。うーん。と唸る羽目になったAは唸っていると相手から自己紹介をされた。
「悲鳴嶼行冥、岩柱を任されている。」
「貴方が。そうでしたか、耀哉から話は聞いてます」
産屋敷邸に訪れ耀哉から話を通した柱がいると名前は聞いていたが、この人だったのか。
「どうしてここに?」
柱はとても忙しい。夜にここにいること自体が珍しいのだ。
「お館様に御報告が合ったからだ。それでお館様から君が寝ていると聞いて、様子を見に来たんだ」
「そうだったのですか、たった今目が覚めた所です。朝、耀哉に報告に行くつもりだったのですが…」
Aは敬語を使えないわけではない。ただ耀哉に対しては[使う必要がない]がない。
むしろ使ってはならないと思っていた。
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冴輝(プロフ) - 小雪さん» 誤字の連絡ありがとうございます。宜しければどこの部分に誤字があったか教えて頂けますか? (2020年4月21日 18時) (レス) id: cfad016dbd (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 陰(いん)でわなく隠(かくし)だと思います。後処理隊は (2020年4月21日 17時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冴輝 | 作成日時:2019年10月4日 4時