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「今更なんだよ。」
「それに、なんで鬼になった?父さんが憎くても鬼になる必要はなかった筈だ」
「お前には分からないだろうな、本当に必要とされる意味を、俺は黒死牟様の力に惚れたんだ。」
無惨様にも勿論忠誠は誓ってるさ、でも俺は黒死牟様に着いていくと決めたんだ。
意気揚々と語る様は自分の兄の記憶にはなかった。
兄は何時も何時も優しく、強かった。
幼い頃は両親に冷たくされる意味など分からなかったから、優しくしてくれる兄が大好きだった。
「どれだけ食べた」
「食えるだけなァ。あぁ…ただ最初に食ったあの男は一番うまかったなぁ」
「心久吏ぃいいいいいいいいいい」
ーーーー影の呼吸 伍ノ型 修羅道 阿修羅
影を纏い、参ノ型 天道 鏡花水月を使い姿を現しては斬り付け、姿を消し姿を現し斬り付ける。
手、足を斬る。
「フフッ……アハハハハハハ!!影の呼吸が使える様になっていたとはなぁ!!お前を鬼に出来たらあの女はどう思うかなぁ??……ハハッ想像しただけで笑えて涙出るわ」
目に溜まった涙を〈手で〉拭う。既に心久吏の身体は殆ど治っていた。その治りの速さ、上弦並ではないか。兄はAより剣の才が上であった。
例え影の呼吸を使えたとしても兄に勝てるか分からない、しかし今倒しておかないともっと沢山の人に被害が行く。六条家として、弟として。
「その回復の速さ、相当食ったな。俺は六条家の人間として、お前を殺 す。」
ーーー影の呼吸 奥義 地獄道 閻魔
やっと思い出したのに、やっと気づいたのに。
実弥に伝えたかったのに。
まだ成長段階のこの身体でこの技を使えばその後どうなるか分からない。でも、六条家の人間として、家族として、大好きだった兄は俺が倒す。
さようなら。〈お兄ちゃん。〉
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冴輝(プロフ) - 小雪さん» 誤字の連絡ありがとうございます。宜しければどこの部分に誤字があったか教えて頂けますか? (2020年4月21日 18時) (レス) id: cfad016dbd (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 陰(いん)でわなく隠(かくし)だと思います。後処理隊は (2020年4月21日 17時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冴輝 | 作成日時:2019年10月4日 4時