検索窓
今日:9 hit、昨日:10 hit、合計:81,304 hit

23 ページ25

甘味屋の前にいたのはその場所には似つかわしくない男、不死川実弥が此方を睨んでいた。


「不死川さんもここの甘味屋に?」


美味しいですよね!と甘露寺は不死川に話しかけた。


「ァア?てめェらが騒がしく歩いてくるもんだから、一緒にされたくねェと思っただけだァ」


「酷いね。実弥、自分だっておはぎが好きな癖に。」


一緒に甘味屋にだって言ったのにと不貞腐れる。
うっ…と不死川は何も言えなくなる。


甘露寺が不死川も誘い四人で甘味屋に入る。
Aの隣に不死川、前に甘露寺、甘露寺の隣に伊黒が座る。
各々が気になる甘味を頼み、四人で甘味を食べる。


「蜜璃の甘味美味しそう!一口貰ってもいい?」

「いいよ!瑞稀君のも一口貰えたらなぁって…」

「いいよ!はいあーん!」

「あーん!………美味しい!」


まるで女の子同士の会話のような…いや、片方は男なのだが…。
伊黒の周りの温度が下がっている。

パクっ

「あー!俺の甘味ぃ!!」

隣に座っている不死川から手が伸びてきてAの甘味を一口食べる。


「俺の甘味が減っただろ!」


どうすんだよ!実弥!と目がもう既に涙目だ。


「甘露寺のも食ってただろォ」

「蜜璃からは一口貰ったから!」


一口上げようにも不死川の甘味はもう無くなっていた。


「帰りになんか買ってやるよォ」

「本当に!?約束だからな!」


「《嫉妬か…?醜いぞ》」


ネチネチと伊黒が不死川に囁く。


「《お前もなァ…伊黒ォ》」


不死川が手を見ると伊黒の手は拳を作っており血管が浮き出て握っている手が白くなっていた。


互いの今日の仕事場所を聞き、伊黒と甘露寺と別れ、不死川と二人になった。


「実弥!あのたい焼きがいい!」


甘味屋での約束の為に二人で歩き、近くにあったたい焼き屋で不死川の奢りでたい焼きを買って貰った。ついでに二人で前に行ったおはぎ屋さんにも寄り、腹を満たした。


「ありがとう、実弥。またね!」


お出かけもしようね!と不死川に笑いかける。
不死川は真顔でAの頭をわしゃわしゃと撫でる。


「うぅー…やめてぇー髪の毛がぁー…」


わしゃわしゃする手を取り頭からどかそうとするが、離れず髪がボサボサになっていく。


「あァ。じゃあなァ」


頭から手を退かし、Aに笑いかける。

ドキッ


「(ドキ?)」


去っていく背中を見ながらモヤモヤする胸に手を当てて、それでも分からなかったので、首を傾げつつ仕事に向かうのだった。

24 あの日の事→←22 休日



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 4.9/10 (158 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
120人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

冴輝(プロフ) - 小雪さん» 誤字の連絡ありがとうございます。宜しければどこの部分に誤字があったか教えて頂けますか? (2020年4月21日 18時) (レス) id: cfad016dbd (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 陰(いん)でわなく隠(かくし)だと思います。後処理隊は (2020年4月21日 17時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:冴輝 | 作成日時:2019年10月4日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。