17 新たな寝床 ページ19
「(修行も終わってここに居候したままでいいのだろうか…)」
部屋の入り口に立ち部屋を見渡す。
家から持ってきた着替えと本が数冊、布団に隊服影の呼吸の書かれた本がある。
部屋に入る障子を開けっ放しにし、縁側に座る。
空を見ると橙色になり、時期に夜になるだろう。夜になれば鬼が出る、自分達の知らない所で人間がまた食べられてしまうのだろう。
自分の鴉は何も言わない、まだ戦うべきではないと耀哉は判断しているのだろう。剣士達が戦っている所を思い、願い、自分の直属の陰の人間にも被害が出ないよう自分の仕事をするしかない。
六条家の仕事はちゃんとしている。しかし、鬼殺隊の剣士としてはどうだろう。鬼殺隊に入る迄は修行の一環として実家近くに出る鬼は退治していた。
しかし鬼殺隊に入ってたからは実家の仕事しかせず鬼退治はしていない。
もし、それが他の剣士に知られたらどうだろう。柱に知られたら幻滅されてしまうかもしれない。
鬼も倒していない剣士が柱でも、ましてや甲でもない人間が本部でのうのうと安全な場所でぬくぬくとしていたらどう思うのだろうか。
耀哉はいくらでもいていいと言うだろう。彼は優しいから、でも自分のせいで耀哉が悪く言われるのを見たくはない。お互いがただのなんもしがらみも無い生まれなら耀哉の優しさに甘えていたのだろう。
でも自分達は産屋敷耀哉と六条Aなのだ。
甘えた事は言ってられない。
次の日の朝に耀哉とあまねに話をし、荷物をまとめて本部を後にした。
耀哉にはやっぱり止められたけど、じゃあここにいる間お前の護衛をすると言ったら苦い顔をされた。
まだ万全ではないが、もう戦える。実家の仕事も母に引き継ぎやばそうな所だけ鷹に連絡出来るような仕組みを整えた。何もしてなかった間、何も準備をしていなかった訳じゃない。
とかっこいい事を言ったが、どこに住むかは全く決めてはいなかった。
藤の家に居候はちょっとな……。
ツテがないわけではないが、ちょっと申し訳ない気分になる、何処かいい所はないものか。
「(そういえば、この辺に大きな森があったな)」
鍛錬中に何度か世話になった水もあり、小さな穴があり町からも近い。本部からもいい感じの距離だし何かあった時にすぐに駆け付けれる。
何かの陣を書いても迷惑にはならないだろう。
思い立ったらすぐ行動。近くの森に移動し、住める様に穴をちょっと改造。これでよし。
Aの新たな生活が始まった。
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冴輝(プロフ) - 小雪さん» 誤字の連絡ありがとうございます。宜しければどこの部分に誤字があったか教えて頂けますか? (2020年4月21日 18時) (レス) id: cfad016dbd (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 陰(いん)でわなく隠(かくし)だと思います。後処理隊は (2020年4月21日 17時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冴輝 | 作成日時:2019年10月4日 4時